
フラッグシップF5ジュニアと呼ばれた実力機
Nikonのフィルム機F100をオークションで落とした。F5ジュニアと呼ばれたこのカメラは、F二桁機(数字上100は三桁だが、F100はF90の後継機なのでいわゆるニコンF三桁機ではない)でありながらもマグネシウム製の堅牢なボディとF5譲りの高機能で当時のベストセラー機であった。この頃のNikonの高級機はメカとしての質感が素晴らしく、現行機でこの感触を持つのはD4くらいのもので、質感だけで言うならD810にも負けていない。

発売は1998年。同時期に発売されていたNikonフラッグシップF5とスペック上の数値に変わりがなかったことから、ハイアマチュアやプロのサブ機として一気に人気機種となった。後に発売されたNikonフィルム機最後にして最高峰のF6は、実質F5ではなくこのF100の後継であるとさえ言われたものだ。

現行のNikon一眼機ももちろん素晴らしいが、電子機器の塊となったD三桁あるいはD四桁シリーズのなんとなく華奢な感じに比べ、F100はちょっとやそっとではびくともしない堅牢性と信頼性を今もなお漂わせる。実際、持った感触もがっしりと手に馴染み、オートフォーカスはポイントこそ5点と少ないが狙った場所にはビシッとはまる。またボディ上部のコントロールダイヤルがこの3ボタン式なのがまたいい。言葉では表しにくいが、この頃のNikon機に思い入れのあるユーザーは少なくないはずだ。
今回フルサイズ機なので、ニッコールレンズDシリーズよりAI AF NIKKOR 50mm f/1.8Dを用意して試写を行った。フルサイズで50mmでの撮影は久しぶりすぎてあまりおもしろいショットが撮れなかったが、作例を投下しておこう。尚、仕様したフィルムはすべてフジフィルムスーパープレミアム400、現像後ネガをα7にてフイルムスキャン撮影を行い、その後Lightroomにて調整した。
安定と信頼の一台。操作感はデジタル一眼と遜色なし

ロケーションは皇居東御苑付近。この日実はデジタル機D300も同時に試写を行っていたので交互にシャッターを押すこととなったのだが、途中からもうどっちで撮っているのかわからなくなるくらいF100の操作感はデジタル機に近しいものであった。カメラとしての基本的な挙動はF100の時代ですでに確立していたことの証だろう。

緑の中にひっそりと浮かぶピンクを見たまま捕えた。ネガフィルムのスキャンなので多少のざらつきは否めないが、全体としてみれば非常に良く撮れている。

色の追い込みがいまひとつだが、やはりデジタルで撮ったものとはひと味違うアナログ感が感じられる。それでいてピントの合った部分と背景のアウトフォーカスの対比がいい感じ。露出はF2付近まで開けて撮影したショット。


開けても絞っても思った通りに撮れているし、AFのスピードもデジタル機を使った時と明確な差を感じない。


今回F100とDレンズを使っていて、手振れを起こしてしまったことはあったが、ピントを外したショットはほとんどなかった。1998年のカメラながら、このオートフォーカスの信頼性は特筆に値する。シャッター音は現行D三桁機より大きく、D一桁機よりソフトという絶妙なボリュームとフィーリングで、ついついカメラマンをその気にさせる。この日同時に使用していたD300も名機だが、F100もまたフィルムの名機に違いない。



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