
「縁結び・招き猫・沖田総司」なんでもアリ今戸神社はテーマパーク
浅草界隈の神社巡りの一環で、先日も待乳山聖天から浅草周辺を探索していました。待乳山聖天の静けさと厳粛さに心が整ったところで、近くにある今戸神社にも足を延ばしてみたのですが、正直、寺社としての空気感が全く違うので最初の印象は違和感だらけ。この違和感の正体はなんだったのか、冷静に紐解いていきましょう。

今戸神社は平安時代の康平6年(1063年)に創建、昭和12年には隣接していた白山神社と合祀し、名前を現在の今戸神社に改めます。現在の社殿は昭和46年(1971年)に建立されたもの。「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」「伊弉冉尊(いざなみのみこと)」の夫婦の神様をお祀りしていることから縁結びのパワースポットとして人気、のようです。実際、参拝客の層は若い女性が目立ちます。

それとは別に、境内のいたるところに姿を現す猫が目を引きます。


ここにも、あっちにも。


あちこち猫だらけで笑ってしまいます。どうも、招き猫発祥の地を名乗っているようなのですが、私以前世田谷の豪徳寺に行きましたけれども、そこも招き猫発祥の地だったような。


別にどっちが本物?なんて論じるつもりもありませんが、境内が重厚な雰囲気と一見してものすごい数の招き猫が並ぶ豪徳寺に比べると、こちらの招き猫はサイズも質感もデザインも違うとにかくいろんな猫をただ集めてきてそのへんに配置したような「猫の雑貨屋」みたいな感じ、ではあります。

そう思って冷静に考えてみると、縁結びもイザナギとイザナミの神様を祀っている神社なんて他にもたくさんありますし、この地に特別な縁結び伝承があるわけでもないので、縁結びのパワースポットを名乗るのは根拠が薄いような気がします。

もっと疑問なのが、更にこの神社「沖田総司終焉の地」も名乗っていて、なんでも沖田総司の晩年、主治医である松本良順が今戸神社に間借りしており、ここでの療養中に亡くなったから、という説を基にしているのです。しかしながら沖田総司は今戸神社の松本宅から千駄ヶ谷の植木屋平五郎宅に療養先を移していた記録が発見され、学説的にはそちらが有力のようなので、これもあくまで「そのように名乗っている」だけにすぎません。

こうして考えると、観光向けにキャッチフレーズをたくさん用意して存在をアピールするという、少し前のテーマパークが取っていたマーケティング手法を実践しているだけなのではと思えてしまいます。
今回は待乳山聖天から今戸神社というルートだったため、 寺社から観光スポットへ急に切り替わったような感覚になり、この落差が違和感を強くしたのは間違いなさそうです。公平に言うと、今戸神社にはもちろん良い点もあります。
- 猫好きには楽しい
- 写真映えする
- 観光スポットとしては賑やかで明るい
- 地域活性化に貢献している
歴史的な裏付けの弱さと、観光マーケティングの強さが目立ちますが、“神社としての厳粛さ”を求めなければ、普通に楽しめる場所と思いました。目的を理解して行けば楽しめるし、 「縁結びスポットとして写真を撮りたい」という人には向いているのではないでしょうか。



コメント