
知る人ぞ知る、大根がお供えされる神社
東京は浅草と言えばやっぱり浅草寺が超有名なわけですが、実はこの界隈には歴史ある神社仏閣がたくさんありまして、待乳山聖天(まつちやましょうでん)のそのひとつ。ここでは大根をお供えすることから「浅草大根神社」とも呼ばれ、実際「浅草大根神社」でググっても何ら問題なく検索可能です。

正式名は本龍院(ほんりゅういん)といって、浅草寺の子院のひとつです。本尊としてお祀りされている聖天というのは歓喜天とも呼ばれ、これ紐解くとヒンドゥー教のガネーシャ由来の神様なんですね。かといって境内にガネーシャが鎮座しているわけではありませんが。

境内に入るとすぐに、お供え用の大根が販売されています。お値段は時価のようですが、この日は300円でした。なかなか立派な大きさの大根です。お供えするのにひょろひょろの個体を使うわけにいきませんからね。


購入した大根は本堂にお供えします。本堂内部は撮影禁止なので大根が重なっているところをご想像ください。上部にはここのシンボルとなる二股大根と巾着のモチーフが飾られています。

大量にお供えされた大根はその後どうなってしまうのかというと、本堂の横に「お下がり大根」として並べられ、無料配布されているのです。

私はちょっと荷物になるので頂きませんでしたが、ちゃんと持ち帰り用のビニール袋も用意されていてみなさん1本づつ持ち帰っておりました。ご利益があるだけでなくフードロス対策にもなりますので、とてもいいシステムかと思います。でもこれ、大量に持ち帰る人っていないのでしょうか。

あとで少し調べたのですが、いないことはないけれども大きな問題になるほどではない、というのが現状のようです。いくつか理由があって、
- そもそも大根は毎日そこそこ奉納される
- 重くかさばるうえ、転売しても商品価格が小さく実利が少ない
- 境内の静かな空気が抑止力になっている
- 係の方が日常的に見守っている
浅草と言っても浅草寺のような賑やかな場所ではなく、参拝者は絶えないが超有名というほどでもないという絶妙な環境が、奇跡的にこのシステムを生かしているのかもしれません。都会の真ん中に、昔の共同体の倫理が生きるこうした場所、なくなってほしくないものです。



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