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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

RICOH GR1S ◆レビュー◆

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目次

伝説のフィルムコンパクトGRシリーズ2代目

何度か本ブログでも取り上げているリコーのフィルムコンパクトカメラ「GR1」シリーズの2代目、GR1Sを入手した。姉妹機であるGR10と、GRシリーズの祖先R1Sを既に入手しておりそれぞれ試写済みだが、本命ともいえるGR1は今般初導入となる。

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GRといえば1996年にリコーが発売した伝説的なコンパクトカメラであり、デジタルになった現在も続く大ヒットシリーズである。私もまた、最新機種のGRⅢを愛用中だが、スナップシューターとしてフィルム時代から現在に至るまで基本コンセプトが変わらない稀有なカメラだ。

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本機GR1Sは1998年発売された2代目で、基本性能は初代と変わらないが、レンズフィルターやフードの取り付けが可能となっている。しかし実際のところ、フィルターはともかくこのレンズフードの有無で写りに顕著な差が出た撮影サンプルは当のリコー社がついに提示できなかったといわれる。気分的にはフードがついていた方が安心はするだろうが、一方ではフードの分だけ本体が出っ張ってしまい、せっかくのコンパクトさがスポイルされてしまう為、無理に使用することはないと思われる。

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すでに入手済みのGR10はGR1の廉価版という位置付けだが、レンズは同じなので基本的な写りに違いはない。にもかかわらずなぜわざわざGR1をあらためて導入したかというと、やはりこの2台の微妙な立ち位置の違いに起因するところが多い。アルミニウム外装でプログラムAE専用機であるGR10は手軽に写真は撮れるけれども、撮影者の意図を表現する余地は殆どない。その点、GR1は絞り優先撮影ができ、露出補正が可能である。シャッタースピードの上限が1/500のGR1では絞り優先といってもそれを活かせるシーンは限られるだろうが、いざという際にできるかできないかは道具としての信頼度に大きく影響する。GR1はそういうカメラだと思うのだ。

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所有している姉妹機GR10およびR1Sと並べてみた。プラスチック外装のR1Sやアルミニウム外装のGR10と比べるとやはりGR1のマグネシウム合金外装は道具としての信頼性に厚く感じる。より小さく軽いのはR1Sのほうだし、よりお洒落なのはGR10だが、GR1は写真を撮る道具そのものなのだ。

さて、伝説とまで言われるGR1だが、生産終了後20年余が経ち現存する多くの個体には持病ともいわれる様々な不具合が生じている。果たして、私の入手したGR1Sもまた、そうした不具合を持つ1台である。もちろん不具合はないに越したことはないが、おかげでかなりリーズナブルに流通している個体も多いのがこのカメラの面白いところ。従って、もしGR1を導入しようとする際は、高い対価を払って完動品を探すか、多少の不具合に目をつぶって安価に入手するかを選択することになるだろう。

GR1の経年による不具合と対処方法

液晶表示文字欠け


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最もよくあるのが、撮影モードやフイルム枚数残を表示する液晶の不良だ。R1も含めたすべての現存するGRのほとんどの個体に見られる不具合で、程度の差はあれど部分的に文字欠けが発生しているものである。これはGRの設計構造上の問題のようで、奇跡的に正常表示している個体であっても、いつか必ず起こると言われている。

ではこの症状の出ている個体は実際の使用にどれほどの影響を及ぼすかだが、実は条件によってはさほどの不自由を感じない場合もある。まず撮影モードだが、この機種の撮影モードはモード選択ボタンを押すごとに「通常モード(平均測光)」→「遠景モード」→「シングルオートフォーカス(中央重点測光)」→「スナップモード」の順に進む。この4つのモードのどれかひとつの表示さえあれば、この進み方を覚えてしまえば選択が可能となる。

また、ファインダー内のブライトフレームの表示が正常であれば、その表示内容とカメラの挙動でどのモードで稼働中かが判断できる。撮影枚数については正確なところがわからなくても、現行のフィルムであれば最大で36枚なので、一部でも表示されていれば10の桁は3か2か1しかありえず、ここから大さっぱに掴むことができれば大きな問題にはならないだろう。

尚、中古カメラ屋などでフィルム残表示を確認したい場合は実際にフィルムを入れてみる方法のほかに、タイムモードと呼ばれる長時間露光をしてみるという方法がある。セルフタイマーボタンを2度押すと液晶表示があれば写真のような「T」文字が表示されタイムモードとなるので、この状態でシャッターを押すとカウンターが1から最大60まで進む。これによりわざわざフィルムを装填しなくてもどの程度文字欠けをしているかが把握できる。中古を購入する際のチェック方法として役立てていただきたい。

ファインダー視野不良

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ファインダーの左下側に影が出来て視野を狭めてしまう問題で、理由はわからないがこれもよくある症状のひとつ。構図を決める際に邪魔になるのは確かだが、ファインダーを覗く目の位置を少しずらせば回避できる。もともとこのカメラはファインダーで緻密な構図決めが求められるカメラではないし、写った写真には何ら影響しないので、気にしなければどうということはない。但し、ファインダー内のブライトフレーム表示が薄いまたは全く表示されない個体もあるようなので、これは避けたほうがいいだろう。

モルト劣化

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フィルムが装填されているかどうかを確認できる裏蓋窓周辺のモルトが劣化しべとついたりするもの。GRに限らず多くのフィルムカメラで経年により起こる症状である。これは適当なモルト材を用意してカットして貼り直してしまえばよい。本来は窓部分を繰り抜く必要があるが、面倒であれば窓は塞いでしまっても構わない。金銭的に余裕があるならAki-Asahiドットコムなどサードパーティが発売するGR1用の専用貼り替えモルトを購入するという手もある。

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GR1シリーズはおそらくすべてのコンパクトフィルムカメラの中でも最も支持されている機種のひとつである。現在ではメーカーサポートも切れ、故障してしまえば修理することもままならないが、多くのカメラマンがこのカメラを所有し、中古は一定の価格で取引され続けている。私もまた銀塩フィルムの生産が続く限りはGRを使うことを止めないだろう。私の知る限りは国内でGR1の修理を受け付けている業者はなく、どなたかご存知であれば是非ご教授頂きたい。

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