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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

LEICA ビゾフレックス(Typ020)  ◆レビュー◆

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目次

M型ライカにEVFは必要か徹底検証

ビゾフレックス(Typ020)はライカM10用のアクセサリーで、レンジファインダーであるM10にEVF(エレクトリック・ビュー・ファインダー)を追加できるもの。今回は、そもそもM型ライカは優秀なOVF(光学ファインダー)を装備しているのが強みなのに、わざわざEVFを使うのってどうなのという素朴な疑問の検証を行ってみようと思う。

M10で使えるビゾフレックスは2種類


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もともと完成されたM型ライカのフォルムに機能を追加することになるので、印象としてはカメラにツノが映えたような姿となってしまうのはご愛敬か。正直もうふた回り位小さかったらよかったと思われるが、実はM11用に発売されている後継機ビゾフレックス2が長方形のフォルムで登場している。

こちらのビゾフレックス2もファームアップによりM10に装着可能なのでどちらにするかは迷うところだが、最新機種だけあって価格が高いのと、M10で使用する場合にはどうやら機能が限定されてしまうなどの理由もあって、今回は普通にM10用のtyp020を選択した。

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ビゾフレックスの基本動作

使い方は特に難しいものではなく、M10のホットシューに装着するだけで、基本的にM10をライブビューモードで動かすとモニターに表示される画像と全く同じ画像がビゾフレックス上にも展開される。逆に言うとライブビューモードにしなければビゾフレックスも稼働しない為、バッテリー消費量が気になる場合はライブビューモードへの切り替えをこまめに行うなど工夫が必要だ。また、マウントアダプターを使ってLマウントレンズを使うような場合、L/M変換リングの形状によってはボディ側の6bitコード読み取り窓が露出してしまうことによってライブビューモードが稼働しないことがある(過去記事こちら)ので、この場合必然的にビゾフレックスもまた稼働しなくなるということはわかっておいた方がいいだろう。

発売時期が2014年と世代の古い製品なので、スペックで言うと有効画素数240万画素と現在のレベルからすると物足りないが、追従性も気にならないし見辛いという感覚はない。手持ちの機種でいえば初代α7くらいのレベルの見え方かと思われる。

余談だがもともとビゾフレックスという名称は、1950年代~70年代、フィルム機のM型ライカを一眼レフのように使えるというアダプター製品に付けられていたものだが、現代になって本機でその同じ名称が使いまわされている。ライカはちょいちょいこういうことをするが話題として混同してしまうので気を付けたい。

では、本機ビゾフレックス運用のポイントをまとめてみよう。

メリット・デメリットを整理

正確なピント合わせが可能

最大のメリットはこれに尽きるが、慣れにもよるがマニュアルフォーカスの正確性ということでいえばレンジファインダーよりも確実にピント合わせの精度は高くなる。特に90mm以上のレンズを使用する場合、レンジファインダーでは仕組み上ファインダー中央の狭い部分でピント合わせを行うしかないので、ち密なピント合わせは難しかったが、EVFなら拡大表示されることになりかなりラクになる。単にライブビューで表示させても同じことは出来るとはいえ、EVFのほうがより分かりやすい。

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実際に手持ちのロッコール90mmF4を装着して撮影してみたが、レンジファインダーで扱うよりも格段にピント合わせしやすく操作感は上々であった。これまでこのレンズはどうもピントのキレが悪いような気がしていたが、単にレンジファインダーでのピント合わせが甘かっただけの可能性がある。サンプルにビゾフレックスを使って撮影したロッコール90mmF4のショットをアップしておくが、これなら普通に使用に耐えられるように思われた。

エイト_M05
LEICA M10 MINOLTA M ROKKOR 90mmF4 1/125 F5.6 ISO200

ファインダーの角度調整が可能

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M型ライカで今のところチルトモニターを搭載する機種はないので、例えば地面スレスレから被写体を狙うなどのフレーミングの自由度はどうしても低くなりがちだが、このビゾフレックスはファインダーの角度を変えられるので上から覗き込むいわゆるウエストレベルでの撮影が可能となる。

レンジファインダーの規格を超えた表示が可能

M型ライカのファインダーは広角端28mmまでしか表示しないため、それよりも広角のレンズを使う場合はフレーミング自体できないわけだが、ビゾフレックスは当然ながら装着したレンズ通りの画角を表示することができる。またレンジファインダーは最短0.7mまでしかピントを合わせることが出来ないが、ビゾフレックスではこれを超えてレンズが持つ最短撮影距離までちゃんと表示される。こんな事、国産のミラーレスカメラなら当たり前に出来るが、M型ライカでこれを実現するにはライブビュー機能とビゾフレックスの導入が必須となるのだ。

美観を損ねる

いいことだらけと思えるビゾフレックスだが、ここからはデメリットを記していこう。まずは前述の通り、せっかくM型ライカという美しいカメラを持っているというのに、これを装着することによって美観は完全に損なわれる。角が生えたように見えるばかりか、良く見るとシャッターダイヤルの一部が覆い隠されるなどサイズ感が微妙過ぎていろいろとイケてない。まあ、私的にはだいぶ見慣れてはきたが・・・

サムレストと同時使用不可

個人的に最も困るのがこれ。M10に限らずM型ライカはグリップのないフォルムのため指に引っ掛かりがなく一般的なミラーレスカメラや一眼レフに比べホールド感が弱い。しっかり構えるためにサムレストはマストアイテムと思っているが、サムレストはカメラのホットシューに装着するので、ビゾフレックスを装着するには必然的にサムレストを外さねばならず、同時使用ができないのだ。この問題を解決するには、サムレストの代わりに外付けグリップを導入するしかない。


ちなみに私の使用しているサムレストはライカ純正品ではなくサードパーティ製のこちら。純正品は価格が高すぎて購入する気になれない。


グリップは互換製品が見当たらないので純正品のこちらを購入するしかない。しかし高いお金を払ってこのグリップを導入しても、今度はグリップを装着した状態で使用することが出来そうなボディケースが存在しないという問題に直面してしまうため、グリップの導入については現在熟考中である。

いろいろと書いてみたが、私は写真を撮るからには意図通りちゃんと撮れていてほしいと思うのでトータルで考えればビゾフレックスはメリットの方が多いと思っている。ただ撮影スタイルは人により千差万別なので、レンジファインダーで撮ってこそライカであるという考え方も理解できるし、すべてのライカユーザーにとって有益であるかどうかは評価が分かれるアイテムであろう。

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