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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

ライカL/M変換マウントアダプターの話

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L/M変換マウントアダプターはぶっちゃけ何でもOKか?

ライカLマウントレンズをM型ライカで使う際に使用する、L/M変換用のマウントアダプターは各社から発売されており種類も多いが、メーカーによって価格差も激しい。もちろん安い方がありがたいとはいえこのアダプター、本当に安くてもちゃんと使えるのだろうか。

最初に購入したのはK&Fコンセプト社の製品。他の製品に比べても安価なほうだが、このメーカーは安価なわりに普通に使えるということで最近一定の評価を得ているようだ。

実際、フィルム機M4で使うぶんには何ら問題なく使えたため、28mm用、35mm用、50mm用と3種類揃えてしまい、今後はK&Fコンセプト社で充分かと思っていたが、導入したデジタルライカM10にそのまま流用したところ、以下の症状に見舞われた。

【症状①】

レンズ検知モードをオートに設定時、ライブビュー撮影においてレンズのピントリングを操作することで自動的にモニター上で像が拡大表示される仕様だが、自動拡大されない。但し拡大表示ボタンを押せば拡大表示される。

【症状②】

ライブビュー撮影時、何かのタイミングで突然ライブビューがキャンセルされる。一旦この症状が始まるとライブビューボタンを押しても押してもすぐにキャンセルされ、しばらくライブビューが使えなくなるが、忘れた頃に元通りになっている。
症状①はそういう仕様だと思い込んでいたためこれが不具合であるという認識すらなかったが、さすがに②は故障を疑った。しかしながら②に関しては、たまに発症するが起こらない時は起こらないため再現性に乏しく、問題の特定に時間を要することとなったが、その後いろいろなレンズをとっかえひっかえ試してみると、ライカ純正・非純正に関わらずMマウントレンズではこれらの現象が起こらないことが判明した。そこでひょっとしてマウントアダプターに原因があるのではないかと思い当たったわけである。

RAYQUAL社製で問題解消、原因は6bitコード読み取り窓か

検証の意味もあって、このジャンルでは高く評価されている国産マウントアダプターの雄、RAYQUAL(レイクォール)社の製品を購入してみた。

するとどうだろう、現象②が起こらないばかりか、①においてもLマウントレンズでピントリングの操作に応じてモニター上の拡大表示がされるようになったのだ。これは一体どういうことなのか。両メーカーの製品を並べて比べてみよう。ちなみにRAYQUAL社製が黒いのは表面反射防止塗装がされているためであり、今回の現象に直接関係はしていないと思われる。

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(左)K&Fコンセプト、(右)RAYQUAL

そしてアダプターとカメラ本体とその他いろいろなケースを総合的に勘案して、以下考察をしてみた。このあとはあくまでも私の仮説であり、断定するものではないのでそのつもりでお読みいただきたい。

【要因①】半欠きタイプの必要性

ふたつのマウントアダプターを見ると、どちらも完全な円形ではなく製品下部が欠けていることがわかると思うが、これは「半欠きタイプ」と呼ばれ、一部のLレンズにある無限遠ロックボタンの操作の邪魔をしないように考慮されたものだ。

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どういうことかというと、たとえばこちらのLエルマー50mmF3.5の無限遠ロックというのは矢印の部分で、ピントを回し切って無限遠の位置にした際にピントリングがロックされ容易にピントが動かないようにする機構である。

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再びピントを回すにはこのボタンを押してロックを解除する必要があるが、このときボタンの下部がマウントより下に沈んでしまい、通常のマウントアダプターではこの沈んだ部分が干渉しロックを解除できなくなってしまうのだ。このため、この干渉部分を削ったのが「半欠きタイプ」というわけだ。この機構をもつレンズは結構あるので、汎用性を考えれば半欠きタイプを選んでおきたいところだ。

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更に両製品をよく見ると、この欠けの大きさに差があることがわかるだろう。K&Fコンセプト社製はほぼ下半分が欠けているのに対し、RAYQUAL社製はその半分、全体の1/4程度の欠けとなっている。

【要員②】6bitコード読み取り窓が隠れているか

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一方でボディ側のマウント部を観察すると、右下あたり、写真の矢印部分になにやら読み取りセンサーのような窓がある。これは6bitコード読み取り窓と呼ばれていて、レンズの情報をボディ側に伝達させるためのものだ。

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往年のLマウントレンズはそもそもレンズ側に電子情報を持っていない為6bitコードの機能が働かないわけだが、K&Fコンセプト社製のアダプターを使ってしまうと、この窓を塞ぐことが出来ず中途半端にむき出しの状態になってしまう。

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だがRAYQUAL社製ならばこの窓を完全に塞ぐことが出来るのだ。どうやらこの6bitコード読み取り窓がむき出し状態になっていると、時としてボディ側がレンズが装着されていないと誤判断し、ライブビューモードをキャンセルしてしまうようなのだ。

フィルムライカならもともと6bitコード読み取り機能自体装備していないため「半欠きタイプ」でありさえすれば何の問題もないが、デジタルライカでライブビュー撮影をする場合は上記問題が生じる可能性があることから、①②を同時にケアできるRAYQUAL社製のような1/4欠けタイプのマウントアダプターを使用するのが望ましいと思われる。ちなみにRAYQUAL社以外ではkenko社の製品も1/4欠けタイプのものが存在するようだ。


こういった症状が、すべてのデジタルライカまたはすべてのM10で起きるものかどうかはわからないが、もし同じような症状の方がいて困っているようであれば本記事を参考にしていただきたい。私は今後、L/MマウントアダプターはRAYQUAL社一択とさせていただくつもりである。

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