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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

RICOH GRレンズ 28mmF2.8 ◆レビュー◆

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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500

目次

限定3000本のライカLマウント用GRレンズ


GR 28mmF2.8は、リコー社が発売した伝説のコンパクトカメラGR1に搭載されたレンズのあまりの高評価を受け、ライカスクリューマウント(L39マウント)互換の交換レンズとして、1997年限定3000本のみ発売された。コンパクトカメラのレンズがライカ用の交換レンズとなって発売されるなど前代未聞の出来事であった。

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3,000本限定生産であったこのレンズは、その希少性から中古市場で見かけることも少ないが、普段早起きなど絶対にしない私が、ある日の早朝ふと目を覚ましてしまった際、何を思ったか枕もとのスマホを手に取り、何を思ったかおもむろに某巨大フリマアプリをチェックしたところ、本レンズの出品を発見した。本来、このレンズには28mmの外付けファインダーがセットになっているのだが、出品されていたそれはファインダーが欠品、しかしそこを差し引いたとしても市場価格を遥かに下回っていた。


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ちなみに本レンズの中古市場価格は、欠品なし良品レベルなら10万円を下らない。それが目の前で半値ちょっと。しかしこのレンズはバルサム切れの症状を起こした個体も多いと聞く。商品の状態は「キレイ」とコメントされているが、鵜吞みにはできない。だが迷っているうちに誰かの目に止まれば早々に落札されてしまうだろう。運命を感じた私はその場で購入ボタンをタップ、次の日には無事商品を手にすることが出来た。入手後速やかにチェックを行ったが、奇跡的に外観、レンズ共に十分にキレイな状態であった。


GRといえばこれまでも度々紹介しているが、今も愛用しているフィルムコンパクトGR1S(過去記事こちら)の発売が1998年だから、ほぼほぼこのレンズがベースであろう。現行機種のGRⅢ(過去記事こちら)も毎日持ち歩くほどのGRist(GRの熱狂的ユーザーを一部でこう呼ぶ)である私にとっては、いつかは使ってみたいレンズであった。


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手持ちのSONY α7に装着してみた。最近はめっきり出番が減ったα7だが、こうしたレンジファインダー用レンズと合わせると不思議としっくりくるのがこのカメラのすごいところ。こちらは初代α7で発売が2013年だが、最新のα7RⅣに至っても基本的にデザインが大きく変わらないのは驚愕に値する。


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現在愛用のNikon Z6に合わせた姿がこちら。手持ちのL39マウントをMマウントに変換するアダプターリングと、MマウントをEマウントに変換するマウントアダプターに、更にEマウントをZマウントに変換するアダプターリングを3連で噛ませて装着している。苦しまぎれの装着だが、おかげで見た目はメカっぽさが強調されていい感じになった。こうしてみると、α7は直線的なデザインだが、Z6は曲線を基調としていることがわかる。どちらもとても良く似合っていてずっと眺めていても全く飽きない。

作例と使用感・・・描写はまさにGRそのもの


本当なら所有するライカCL(ライツミノルタCL)(過去記事こちら)に装着したかったのだが、生憎私のライカは今入院中なので、今回はZ6で試写を行ってみよう。すべてのショットは撮影後Lightroomにて現像・調整を行っているので、撮って出しではないことはお断りしておく。


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


手前の時計にピントを合わせているがF8まで絞っている。背景の駅舎に至るまで十分に解像しており、ほぼパンフォーカスで撮れている。周辺はやや湾曲がありそうだが、絵の流れは少ない。


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


こうした絵では周辺湾曲が少し目立つほか周辺減光もあるが、現像ソフトで補正できるレベルでありさほど問題にはならないだろう。逆に味にもなりそうなので、補正しないのも手だ。尚Z6では空色がマゼンタ被りを起こすようなことは一切なかった。


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


かなり周辺まできちんと解像しており、デジタルで使っても全く問題ないことは明白だ。


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


開放F値2.8でどこまでボケをつくれるかを試してみた。手前の男性にピントを合わせて、駅舎がどれくらいボケるかだが、中途半端なボケしか作れなかった。このレンズは最短撮影距離が0.7mとそれほど寄れないこともあり、背景ボケを演出するのは難しそうである。


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


諦めきれず、手前の旗の文字にピントを合わせて背景ボケをつくってみた。これくらいで精一杯か。


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Nikon Z6 RICOH GR 28mmF2.8 1/50 ISO500


F値も2.8止まりであり、広角レンズなので基本的にはパンフォーカスで撮るのが前提かもしれない。フィルムのGRもボケるカメラではなかったから、このレンズにそこまで期待するほうが無理というものだが、そんなことは度外視しても噂通り良く写るレンズという印象である。加えて高級感あふれるフォルムは所有欲をも満たしてくれる。このレンズを手にした幸運を素直に喜びたいと思う。


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