
Fマウント撒き餌レンズのスペシャルバージョン
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8GはNikonの一眼レフ、Fマウント用の単焦点標準レンズの1本。実売価格は3万円台という安価なレンズでありながら、Nikonの大口径F1.8単焦点シリーズの一画として一定の評価を獲得しています。

このSE(Special Edition)は2013年、かつてのフィルムカメラの外観を取り入れたフォルムで話題となった一眼レフ「Nikon Df」のキットレンズとして、外観をかつてのAi ニッコールに寄せたクラシックな装いに変更したバージョン。早々に生産完了となったためオリジナルバージョンよりも若干高値で取引されている場合が多いようです。
ちなみにオリジナルバージョンはこちら。2011年の発売ですが、現在も生産は続いています。
時代は変わりミラーレス全盛の2025年現在、私もすでにFマウントデジタル一眼レフは処分して手元にありませんが、FマウントをZマウントに変換するマウントアダプターを経由すればZシリーズカメラで使用することができます。

マウントアダプター分だけレンズが長くなってしまいますが、全体の雰囲気を壊さずほどほどに似合っていると思います。ちなみに写真のマウントアダプターFTZⅡを使えばAFが作動しますので、Zマウントレンズを使っているのと使用感はほぼ変わりません。

Zマウントの50mmはたいへん評価の高い神レンズと聞きますが、新品で10万円クラスとまずまずの価格になってしまいますので、FTZをすでに持っているならNIKKOR 50mm f/1.8Gで極めて安価に大口径50mmを導入できるというのがポイントです。
まずは早速ですが、試し撮りをしてみましょう。
安価かつ良好な描写。特に初心者へお勧め

せっかくなので開放F1.8で撮影してみましょう。近所で咲いていたアジサイの一種ですが、背景は大胆にぼけていながらも、住宅街ということがわかるくらいのボケ味です。ピントが合っている花弁は程よくシャープで解放から使える描写力です。

愛猫のエイトをF1.8開放で撮影。背景は結構ボケてくれますのでポートレートにも使えそうですが、ボケ感は少し硬めかなという印象です。

普段なら2~3段絞りますがあえて開放で。解放だからと言って描写が甘くなることがなく、コントラストのはっきりした描写は現代的な写りと言えます。色合いはややあっさり目でしょうか。ところどころにパープルフリンジが出てしまっていますが価格帯を考えれば仕方がないところ。Lightroomで除去もできますので大きな問題にはならないでしょう。

F5.6まで絞ればかなりかっちりくっきりした描写で、収差もなくなります。F値の変化で描写自体が変わってしまうタイプのレンズではなく、純粋にボケ感のコントロールとして使えるので、この点は特に初心者の方には扱いやすいかもしれません。

窓ガラス越しにひまわりを撮影しましたが、あえて入れた窓枠が前ボケ、背景の雲が後ろボケとなって、外を覗いて見た臨場感を表現しました。背景のボケ感は思った以上でしたが、前ボケは控えめかもしれません。総じて、手軽に大口径レンズを体験するにはコスパの高い良レンズという印象を持ちました。
Z 40mm F2(SE)があれば、50mm f/1.8Gは不要?
スペックと外観の違い
さて、気になるのはZfのキットレンズに選ばれ、新世代標準単焦点レンズの立ち位置に浮上したNIKKOR Z 40mm F2との違いです。例えばZfのレンズキットを購入したユーザーが、他のレンズも欲しいなと思った際、50mm f/1.8Gは購入する価値があるでしょうか。まずはスペックの違いを見てみましょう。
| 項目 | 50mm f/1.8G | Z40mm F2 |
|---|---|---|
| マウント | Fマウント | Zマウント |
| 焦点距離 | 50mm | 40mm |
| 開放F値 | F1.8 | F2 |
| 重量 | 約185g | 約170g |
| 最短撮影距離 | 0.45m | 0.29m |
スペックがかなり近いので、両方所有していても用途としては被る場合が多そうな気はします。注目はZ40mm F2は最短撮影距離がかなり短いことで、寄りの撮影には50mm f/1.8Gより有利です。

2本のレンズを並べてみました。距離窓とAF/MF切り替えボタンが付いた50mm f/1.8G(左)のほうがやや高級感はあります。

レンズ本体の大きさにはそこまでの差はありませんが、50mm f/1.8G(左)をZマウントで使おうとすると、FマウントをZマウントに変換するアダプターが必要になりますので、結果倍近くの長さになってしまいます。
距離感とボケ描写の違い

では写りの違いはどれほどのものでしょうか。2本のレンズでそれぞれ同じ場所から撮影をしてみましょう。まずはこちらがZ40mm F2の開放のショット。

こちらは50mm f/1.8Gで同じ被写体を撮影。10mm分被写体に近くなっただけでなく、後ろのプレートのボケ感が大きくなっているのがわかります。描写自体は大きな差はないように思います。

次にZ40mm F2開放で窓辺の猫を撮影します。

同じ場所から50mm f/1.8Gで撮影。相手が猫なのでポーズは変わっています。同じ距離なら当然ながら50mm f/1.8Gのほうがボケは大きいです。しかしZ40mm F2もスペックから想像する以上によくボケるので、これくらいの差なら一歩寄ればほとんど違いはわからないのではないかと思います。
結論 – 手持ちラインナップとして残す価値は?
Z40mm F2は普段使いに非常に快適で、特にZ5やZ6クラスのミドルラインナップ機との相性は抜群です。そのうえで50mm f/1.8Gと比べてみると、画角やボケ感の違いはなくはないですが、その差はかなり小さいので、Zシリーズ中心で軽快なスナップを重視するというスタイルなら、Z40mm F2一本で十分間に合いそうです。無理に50mm f/1.8Gを導入するアドバンテージは少ないと思われます。
ただ、ポートレート的な絵作りを重視していてより大きなボケ感を狙いたいという場合や、Fマウント機も併用しているという環境下であれば、手元に1本あっても邪魔になるということもないでしょう。
機会があれば、Zマウント純正50mmのNIKKOR Z 50mm f/1.8 Sも是非体験してみたいものです。



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