![EOS1_01.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_01.jpg)
EOS-1の持病「bcエラー」とは?
私の所有するCanon EOS-1N(過去記事こちら)はバッテリーグリップBP-E1を装着したモデルであり、このBP-E1は単三電池4本で本体を動作させられるというメリットはあるが、その代わりただでさえでかいEOS-1が2割増しくらいでかくなってしまう為、標準グリップのGR-E1が欲しいと常々思っていた。
上:BP-E1装着のEOS-1N、下:GR-E1装着のEOS-1
標準グリップGR-E1はもちろんメーカー生産終了品であり、たまにオークション等に出品される際は単体で5千円以上というそこそこ高額の落札価格が付く。もう少し安価に入手するには、動作保証はないがEOS-1(またはEOS-1N)自体のジャンク品を落札して部品取りをするという手がある。EOS-1とEOS-1Nはグリップ部が共通なのでどちらの個体でも構わないが、今回はたまたまEOS-1のジャンク品が出品されていて、運良くかなりの安価で落札することが出来た。
![EOS1_04.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_04.jpg)
早速ジャンクのEOS-1よりバッテリーグリップGR-E1を取り外し、所有するEOS-1Nに装着してみた。
![EOS1_05.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_05.jpg)
しかしEOS-1Nは動作せず、表示窓には「bc」の文字が表示された。この現象は「bcエラー」と呼ばれていて、実はEOS-1、EOS-1Nでは有名な症状であり、何らかの電気的なトラブルにより通電はするがシャッターが一切反応しなくなる現象である。ここで気付いたのだが、入手したジャンクのEOS-1がbcエラーを起こしているのは想定の範囲内であったが、なんとしばらく稼働させていなかった私の所有するEOS-1Nもいつのまにか「bcエラー」を起こす故障品になっていた。
対策1、バッテリー接点掃除
![EOS1_06.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_06.jpg)
「bcエラー」はあまりにもメジャーな症状であることから、以前よりいくつか対処法は囁かれていた。第一の方法は、バッテリーグリップとカメラ本体の電子接点個所を消しゴム等でこすって清掃すること。
対策2、バッテリー接点テンション付加
![EOS1_07.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_07.jpg)
第二の方法、バッテリーのリチウム電池2CR5を装着する際、適度な厚みの紙を差し込み、電池と本体の接点個所に適度に圧がかかるようにする。しかし結果から言えばこれらの方法ではエラーが解消されなかった。そこでリスクはあるが第三の方法を試してみることにした。
bcエラー解消の決定打か? 対策3、マグネット叩き
![](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_08.jpg)
まずは矢印5ヵ所のネジを外し、ボディ前面カバーを外す。
![EOS1_09.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_09.jpg)
ボディ左側のネジは貼り革の下に隠れているので、革をめくってアクセスする。
![EOS1_10.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_10.jpg)
更に、ボディ左側面のネジ2本を緩める。このとき、このネジを完全に外してしまうと裏蓋が外れてしまうだけでなく、押さえのスプリングが飛び出してしまう(らしい)。ここが外れてしまうと元の状態に組み立てるのは相当困難になってしまうので、あくまでネジを慎重に少しずつ「緩める」だけに留めよう。
![EOS1_11.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_11.jpg)
ボディ前面カバーが外れた状態。
![EOS1_12.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_12.jpg)
ネジを緩めたボディ左側面側。
![EOS1_13.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_13.jpg)
修理部分はマウント上部のマグネットと呼ばれる部分だ。仕組みはよくわからないが構造上、EOS-1ではこの部分が内部で固着状態もしくは定位置ズレが起こりやすいようなのだ。
![EOS1_14.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_14.jpg)
この状態のままバッテリーを装着し、問題のパーツを軽くコンコンする。電源を入れてシャッターを押し、まだエラーが出るようなら何度かこの動作を繰り返してみよう。
![EOS1_15.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_15.jpg)
ほどなくシャッターが押せるようになった。パーツを叩くのに力を込める必要はなく、本当に軽く様子を窺う感じでノックするだけでよさそうだ。
![EOS1_17.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_17.jpg)
前面カバーを元に戻して完了だが、今回カバーを外す際に内部からご覧の金属片が落ちてきて、どのへんの部品なのかついにわからず仕舞いとなってしまった。今のところ正常に動作しているようなので一旦は見なかったことにしよう。
![EOS1_18.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_18.jpg)
同じようにEOS-1Nのほうも解体し、同様の処理を施した。こちらは金属片が落ちてくるようなこともなく、あっという間に「bcエラー」が解消した。
![EOS1_19.jpg](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2023/03/EOS1_19.jpg)
ということで入手したジャンクのEOS-1、所有するEOS-1N共に無事再稼働させることができた。今回の処理にあたっては、海外の投稿のようだがyoutubeに一連の内容がアップされていたのでこちらも参考にさせていただいた。手元にEOS-1があって「bcエラー」で困っている方は自己責任だが試してみてもいいかもしれない。
![](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2021/10/EOS1_011-300x200.jpg)
![](https://digitame.jp/wp-content/uploads/2020/12/20201206231659eec-300x200.jpg)
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