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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Canon EOS-1N ◆レビュー 実写編◆

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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


前回記事の外観編(過去記事こちら)から少し時間が経ってしまったが、Canonのかつてのフラッグシップ、EOS-1Nの実写レポートをお届けしよう。今回のロケーションは千葉県野田市の清水公園である。

EOS-1N.jpg

レンズは2000年発売のEF 28-105mmF3.5-4.5ⅡUSMを調達。当時の普及価格帯の標準ズームレンズで、EOS-1Nで使うには若干クラスが違うかもしれないが、それなりに評判も良く中古のタマ数も多いレンズだ。使用したフィルムはフジの業務用100。ネガ現像後Nikon Z6にてフィルムデュープ、Photoshopで諧調反転を施したうえでLightroomで画質調整しデジタイズを行っている。


■信頼性抜群のフラッグシップ機。大きすぎる筐体は人を選ぶか■

まずは冒頭の紅葉の緻密な描写をご覧いただきたい。一見してこれがフィルムカメラで撮った写真とは思えない精細感だ。もちろん写真の画質はレンズの性能によるところが大きいわけだが、Canonでいえば高級ラインの「Lレンズ」でもない普及価格帯のズームレンズでここまでの描写をするとは思わなかった。デジタルで使えばいろいろアラも出てきそうだが、フィルムカメラならなかなか侮れない画質である。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


望遠端でのショット。これまでもいろいろなフィルム一眼レフ機を使ってみたが、やはり正直オートフォーカスは楽だ。EOS-1NのAFポイントは5個と現代のレベルからすれば少ないとはいえ、ほぼデジタル一眼を使っている時と変わらない感触で撮影することが出来る。但し、AFポイントを移動させるにはボタンを押しながらダイヤルを回すという操作を行わねばならず、慣れるまでは戸惑うかもしれない。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


それとつい忘れそうになるのが手振れ補正機能がないということ。時代を考えれば当たり前なのだが、高感度のフィルムを使ったとしてもせいぜいISO400なので、ホールドには常に気を付けておきたい。実際この日も、数枚手振れを起こしてしまったショットがあった。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


特にバッテリーパックBP-E1を装着したこのEOS-1N DPは、ボディのみで重量1085g、これに単三電池4本を積めたうえ更にレンズを装着して使っているのだからかなりの重量級である。しかもこのグリップはあくまで単三電池で本体を動かすためだけのもので、シャッターボタンは用意されていないので縦位置グリップにはならない。私的には標準グリップ装着時よりもむしろ構え辛いと思うので、標準グリップGR-E1は入手しておいた方がよさそうだ。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


シャッター音はいかにも一眼レフ的な小気味よい響きで気分はアガるが、決して静かではないので、静かな室内などのシーンでは周囲の注目を浴びてしまうこともあるかもしれない。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


露出補正はボディ背面のダイヤルを回すだけなので、手軽にしかも確実に行える。A-1もそうだったがCanonはどうも全般的に絵作りがオーバー目のチューニングとなっているようで、時にはこれがデジタイズの際に補正し辛いことがある為、撮影時の露出補正は積極的に活用したいところ。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


昔のレンズらしく逆光で盛大にフレアが発生したが、不思議といい雰囲気となったショット。フィルムカメラで撮影する際はこうしたショットも味と思って楽しみたい。


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Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


実際のところこの大きな筐体を手にして撮影を行うのは、自身の体力を消耗させるのみならず周囲に少なからず圧力をかけてしまうため、とても気軽に持ち出せるカメラではないわけだが、それにしてはプラスチックのボディは控えめに言っても高級感に乏しく、Canonのロゴも単なるプリントだったりとがっかりポイントも多い。しかし実際に使ってみるとつくりが堅牢で動作に安定感があるだけでなく、撮影者の意図が指先からダイレクトに伝わるような道具としての完成度の高さに驚く。


清水公園‗05
Canon EOS-1N EF28-105mmF3.5-4.5ⅡUSM (dupe by Nikon Z6)


今からこれを使おうという方はおそらく、かつてのフラッグシップ機を追体験したいという動機によるものと思われるが、是非手に取って感触を確かめてみてほしい。でかすぎて手に馴染まなくても、きっと何か感じることはあるはずだ。

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