MENU
フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Canon EOS-1N ◆レビュー 外観編◆

当ページのリンクには広告が含まれています。

EOS1N_01.jpg
■EOSシリーズフラッグシップ2代目”EOS-1N”■
 1989年9月、キヤノンが満を持して発売したプロ向けフラッグシップ一眼レフEOS-1に続き、5年後の1994年11月、外観こそほぼ変わらないが大幅に性能を底上げしフルモデルチェンジされたのがEOS-1シリーズ2代目、EOS-1Nである。

EOS1N_02.jpg
 キヤノンは1987年のEOS第一号機EOS650より、オートフォーカス一眼のEOSシリーズの拡充を図っていたが、ニコンのフラッグシップF4が発売された1988年から遅れること1年余、ついにプロ向け一眼レフEOS-1の発売に漕ぎつける。ニコンがそれまでのFマウントを踏襲し既存ユーザーをそのまま引き継ぐかたちを取ったのに対し、キヤノンはそれまで採用していたFDマウントをバッサリと切り捨て、全く新たなシステムを構築する道を選んだが、高性能でありながら競合するF4より数万円安価てあったこともあり、急速にユーザーを増やしていった。
EOS1N_05.jpg
 EOS-1は特に連射性能が高く、スポーツ報道を中心とする多くのプロカメラマンの支持を集める。その後のキヤノンの躍進ぶりはご承知の通り。EOS-1はEOS-1N、EOS-1Vと進化を続け、デジタルの時代になってもEOS-1Dシリーズとして現在も展開中だ。特徴的な曲線デザインは、ドイツのデザイナー、ルイジ・コラーニ氏によるもので、驚くべきことに、初代EOS-1から現在に至るまで基本的なフォルムは殆ど変わっていない。
EOS1N_07.jpg
 本機EOS-1Nは初代EOS-1よりAFの精度強化と測距点を5点に増加、さらに作動の静音化と防滴性の向上のほか、EOS-1を使用するプロカメラマンの意見を取り入れ細かなスペックアップを遂げているが、外装はEOS-1同様プラスチック製であり、フラッグシップ機でありながら高級感に乏しく、今では経年によりボディが擦れテカテカになった個体が多い。ちなみに2000年発売の3代目、EOS-1Vでは外装はマグネシウム製となったことで一気に質感がアップしている。今回入手した個体は、プロの手によって酷使されがちなこの機種ではあまり見かけない使用感のない個体であり、非常に希少といえる。
 ちなみにEOS-1Nには派生モデルとして、バッテリーグリップBP-E1を装着した1N DP(本機)、連射用バワードライブブースターPB-E1を装着した1N HSと、連射専用設計で固定式のペリクルミラー(半透明の鏡)を採用している1N RSが存在する。
■現在の一眼機に通じる操作系■
EOS1N_11.jpg
 基本的にEOS-1と操作系は同じであるが、この時代にいち早くシャッターダイヤルを廃し、ボタンと前後ダイヤルによる操作という概念を打ち出したのはEOS-1のエポックメイキングな点であろう。ニコンF4が軍艦部にボタンとダイヤルがずらりと並ぶデザイン(過去記事こちら)であるのに対し、EOS-1は小さなボタンに液晶モニターが見えるだけ。メカとしてのかっこよさはF4に軍配が上がりそうだが、結局はニコンも1996年のF5でEOS-1に似た操作系を打ち出している。
EOS1N_06.jpg
 ボディ背面のサブ電子ダイヤルは露出補正を行うためのもの。露出補正はボタンとメインダイヤルでの操作も可能だが、こちらのほうが圧倒的に素早く対応できる。現在もキヤノン機の多くでこの位置にダイヤルが採用されており、キヤノンカメラの特徴のひとつとなっている。
EOS1N_10.jpg
 前述の「高級感に乏しい」点でフィルムEOS-1シリーズの中ではEOS-1、EOS-1Nの人気はいまひとつであるが、それだけに当時のキヤノンのフラッグシップを体験するには比較的手軽に入手できる。マウントは現役のEFマウントであるためレンズの選択に困らないのはアドバンテージだが、EOS-1はいわゆるフルサイズ仕様であるから、APS-C用のEF-Sレンズや、ミラーレス用のEF-Mレンズは使用できない。現行のフルサイズ用EFレンズは殆どが価格の高い「Ⅼレンズ」にラインナップが偏っており、メーカーにはもう少し安価なレンズの拡充をお願いしたいところである。
 とりあえずは、キヤノンの撒き餌レンズとの呼び名の高いEF50mmF1.8Ⅱを同時入手し装着してみた。実際に手に取って見たところの第一印象は、無骨で堅牢といったところか。試写レポートは追って近日中に投下しよう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次