OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
オリンパスのフィルムコンパクト初心者向けの一台
前回メンテナンスを済ませてから少し時間が経ってしまったが、1968年(昭和43年)発売のオリンパスのコンパクトフィルムカメラ、TRIP35の実写レポートをお届けしよう。
今回使用したフィルムはフジのSUPERIA X-TRA400ネガ。現像後Z6でフィルムデュープしPhotoshopとLightroomで諧調反転と調整を行いデジタルデータ化している。ちなみにこのカメラは適正露出が得られないとカメラが判断すると、ファインダー内に通称「赤ベロ」と呼ばれる警告表示が現れ、シャッターを切ることが出来なくなるというお節介機能が付いている。室内で露出アンダーになった場合、ISO100だと撮影できなくなるおそれがあるので、ISO400のフィルムを使うほうが多分安心だ。
OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
F値はF2.8~F22、シャッタースピードはなんと1/30か1/250の2通りしかなく、多くのシーンでは必然的に結構絞り込まれることになるため、基本的にはパンフォーカスのカメラと思っていいだろう。
OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
画角は40mmで、この時代のコンパクトカメラとしては一般的なもの。撮り方によっては広角感も演出できる。
OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
遠景の描写はかなり良好で、渋めの発色もオリンパスらしい絵作りで好感が持てる。個人的には同じオリンパスで言えば、1979年(昭和54年)発売のXAよりよほど良く写っていると思う。
OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
ピントはゾーンフォーカスで4点から選ぶのだが、近距離側が結構シビアで慣れないとピントを外しがち。実際のところ24枚フィルムのうち数枚はあきらかにピントを外してしまった。私はこのゾーンフォーカスが苦手で、アバウトにピントを合わせるというのがどうも性に合わないようなのだ。ファインダーでちゃんとピントを合わせたいタイプの方には向いていないかもしれない。
OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
正真正銘この5月に撮影したものだが、昭和時代の日本橋を撮影していたかのようなレトロ感溢れる写りは素晴らしい。
OLYMPUS TRIP35 (dupe by Nikon Z6)
他の同じクラスのコンパクトカメラと比べてしまうと、例えばコニカC35やヤシカエレクトロ35等に比べて突出して写りがいいというわけではないので、正直手放しで絶賛できるものではない。だが前述した赤ベロのお節介機能やゾーンフォーカスなどより初心者向けのパッケージとして考えれば、一定の評価はできそうだ。
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