Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
A-1とコロナ禍の浅草寺へ出掛ける
前回記事の外観編に続き、Canonの世界初マルチモード搭載フィルムカメラA-1の実写レポートをお届けしよう。ロケーションはコロナ禍で近年まれに見る閑散ぶりの浅草寺だ。
レンズは1979年発売の同社New FD 50mmF1.4。大口径ながらコンパクトな筐体の標準レンズで、A-1とのバランスも良好だ。使用したフィルムはフジの業務用100。ネガ現像後Nikon Z6にてフィルムデュープ、Photoshopで諧調反転を施したうえでLightroomで画質調整しデジタイズを行った。
画質は良好もオーバー傾向か。操作性は今一歩
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
せっかくの大口径レンズだったのでもう少し絞るか開けるかしたほうがよかったかもしれないが、確かF5.6くらいでシャッターを切った記憶がある。写り自体は良好といえる。
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
私は9割がた絞り優先で撮影するため、カメラを構えながら絞り値をコントロールしていることが多い。このカメラは絞り優先モードでは絞り値をボディ側のダイヤルで可変させる必要があるのだが、ボディ右上に位置するこのダイヤルが小さすぎて回し辛く、またシャッターを半押しにしないとファインダー内の絞り数値が表示されないこともあって、撮影のテンポが掴み辛い。ボディ側で撮影パラメーターのコントロールを行うという発想自体はこの時代では先進的であっただろうが、まだまだインターフェースは発展途上と言わざるを得ない。
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
ご覧の通り仲見世通りも閑散としており、シャッターを閉じたままの店も多かった。特に近年は外国人観光客が多く大混雑していたのが嘘のようである。
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
裏側に沢山シールが貼られていてアートの様相を見せる標識にピントを合わせ、背景を大きくぼかしてみた。FDレンズは一般的な他のオールドレンズと少し構造が違っていて扱いにくいこともあり、中古価格が安めなのはありがたい。
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
Canon A-1 New FD 50mmF1.4 (dupe by Nikon Z6)
キヤノンの絵作りは若干オーバー目のチューニングがなされていると聞いていたが、実際に撮影をしてみると確かにオーバー気味のショットが多い。もっとも、ネガフィルムの場合はアンダーよりは後の編集がやりやすいのでこれはこれで悪くはないが、次回の撮影では露出補正をして調整してみようと思う。メカとしての評価となるといまひとつの感はあるが、フィルム一眼レフの楽しさは十分堪能できる一台といってもいいだろう。
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