
周八枚で撮る久しぶりの神田明神
前回に引き続き、8枚玉ズミクロンを完全再現したといわれるライトレンズラボM35mmF2の試し撮りをしてみましょう。ロケーションは東京は千代田区外神田にある神田明神。いろんなレンズを持っていくと目移りしそうなので、この日はあえてライカM10にこのレンズ1本だけという軽装備で向かいます。

神田明神は過去何度も撮影していますが、調べてみると前回撮影したのは2017年のようです。しょっちゅう来ているような気でいましたが、もう6年も経っていたのですね。まあ何度来ても、機材が違うので新鮮な気持ちで撮影をしてしまいます。


しばらく来ていない間にどうやら境内は改築されたようで、正面の御神殿は変わっていませんが、向かって左手に文化交流館という4階建ての新築ホールが建設されている他、ところどころ記憶と違った風景が広がっていました。

まずは御神殿にお参りする人たちの様子から。どんな格好をしていてもどんな服を着ていてもここに来ると皆同じことをするのがなんだか不思議。神様の前ではニンゲンなんて皆同じようなものですからね。

ここの狛犬は社殿から完全に正面を向いていますが、これ珍しいのだそうです。さて今回もほとんどのショットをF値開放で撮影していますが、普通に撮ったのでは全然背景ボケができません。まあ、これはこれで開放からシャープに良く撮れてはいるのですが。

境内にはいくつかの末社が祀られていますが、こちらはその中のひとつ江戸神社。もともとは現在の皇居内に創建され、大江戸最古の地主の神として崇められていましたが、慶長8年(1603年)の江戸城の拡張の際に神田神社境内に遷座したものです。

このあたり末社が連なっていますが、6年前はなかったですね。手前が小舟町八雲神社、奥にほとんど見えませんが水神社(魚河岸水神社)があります。

千代田区指定有形民俗文化財に指定されている獅子山。区内に残る数少ない江戸期の石造物のひとつといわれていて、親獅子が子獅子を谷底に突き落とし、はいあがってきた子をはじめて我が子とするという内容を造形化したものです。

さてこのレンズ、ピントをかなり手前にもってくるとやっと背景が少しボケてくれます。

こういう構図であれば、多少ボケは発生しますね。F2とは思えないわずかなボケ具合ですが、ただ諧調は滑らかで自然な感じとは思います。

こちらは逆に、向う側のだいこく様尊像にピントを合わせて手前をぼかそうと思いましたが、やっぱりさほどボケてくれませんね。

こちらも「明神男坂」のポールにのみピントを合わせて、背景はぼかしているわけですが、ここまでやっても大きくボケることはありません。35mmはまあ広角域ですから、どちらかというと綿密にピントを合わせて撮るというよりも、パンフォーカスで適度にささっと狙ってスナップショットを撮るレンズなのでしょう。そう考えると被写界深度が深めで失敗の少ないレンズともいえるかもしれません。

またはボケを楽しみたいなら、F2でも素直に50mmを使うほうが良さそうです。このレンズと50mmズミクロンの2本を持ってフィールドへ向かえば、ほぼほぼ不便はないかもしれませんが、1本だけというならこちら35mmのほうが被写体を選ばず汎用性が高いとも言えます。とにかく良く写るレンズなのでスナップにはお勧めですが、さほどボケないということはわかっていたほうがいいでしょう。


コメント