Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/125秒 ISO100
初代サンハンズマロンの試し撮りをしてみよう
導入した(過去記事こちら)1949年発売のライカ広角レンズ、初代ズマロン35mmF3.5、通称サンハンズマロンの試し撮りをしてみよう。今回は差し当たって愛用のミラーレス、Nikon Z6に装着したショットをお届けするが、主役のズマロンが銀塩時代のレンズなので、記事のカテゴリーはフィルムカメラとさせてもらった。
冒頭のショットは東京は千代田区紀尾井町の東京ガーデンテラス付近を撮影した中から、クラシックハウスのシンボルである鹿のオブジェを撮影したもの。この場所は以前、リコーGRで撮影したことがあったが(過去記事こちら)、比較することにあまり意味はないと思いつつも、ズマロンが70年以上前のレンズであることを考えると、その描写力は遜色ないどころか優っているのではとも思えてくる。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/250秒 ISO100
ただ、中央部の描写に比べ周辺部はあきらかに収差があり、このようにアクセントとなる鹿のオブジェが画面端に配置されてしまうとそれが目立ってしまうのはやはり年代を考えればやむを得ないところ。これが気になって許せないという場合は、そもそもオールドレンズには手を出さないほうがいいだろう。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/640秒 ISO100
通常は写真というものは主題が画面端に来ることはないので、多くのシーンでは細かい部分は気にならず普通に撮影できる。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/800秒 ISO100
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/200秒 ISO100
描写以外のところでいうとこのレンズ、設計上のクセが一点あり、実はピントリングの回転と同時に絞り設定リングも回転してしまう。こういう仕様のレンズは私も初めてだが、おかげでピントを合わせた後では絞りを設定し直し辛い。そうこうしているうちにシャッターチャンスを逃してしまいそうなので、基本的には広角レンズなのであらかじめ絞り込んでおき、被写界深度を気にせず使うのがいいのかもしれない。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/320秒 ISO100
絞ってもカリカリにシャープというより、精細ながらも優しさが残る描写のように思う。繰り返して言うが、周辺部は少し絞ったくらいでは収差だらけなので気にしないのが一番いい。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/800秒 ISO100
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/40秒 ISO360
最短撮影距離は1メートルと決して短くないのでテーブルフォトには適していないが、ミラーレスで使う際に最短撮影距離を調整できるヘリコイド付きアダプターを使用すれば、ご覧の通りのショットも可能。こうしてみると本来広角なのでボケるレンズではないはずだが、実はボケも綺麗だったことがわかる。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/800秒 ISO100
ロケーションを変えてこちらは茨城県水戸市の偕楽園での撮影だが、手前の梅の花で前ボケにチャレンジしてみた一枚。思ったほどのボケを得られなかったながらも、画面中央に虹色の光の映り込みがあり、レンズとしては余計なものを拾ってしまったものではあるが、それも含め味のあるショットになった。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/125秒 ISO100
サンハンズマロンは現代のあらゆるレンズに比べても非常に小さく、スナップに適した35mmという画角を持ちながらオールドレンズらしい描写を楽しめるうえ、ライカにしては比較的手頃な価格帯で入手できる単焦点レンズだ。ライカ35mmのファーストチョイスにするもよし、そうでなくとも気軽に持ち出せるスナップ用レンズとして十分に楽しめるだろう。
Nikon Z6 LEICA SUMMARON L35mm F3.5 1/200秒 ISO100
偕楽園を撮影した前回の記事(過去記事こちらとこちら)でもすでに本レンズを大量フィーチャーしているので、ご興味のある方はそちらもご覧いただきたい。次回もサンハンズマロン中心のショットを投下予定だ。
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