ロシア発LOMO現行機「LC-A+」
LOMO LC-A+は、1984年旧ソ連で誕生し世界的なLOMOムーブメントを起こしたコンパクトフィルムカメラ「LC-A」の後継機。LC-Aについては過去記事にてご紹介したが、この度現行機種であるLC-A+を使用する機会に恵まれたので、レポートしてみよう。
基本的にはオリジナルのLC-Aと同じフォルムを踏襲しながらも、いくつか相違点はある。まずぱっと見て気付くのは正面のファインダーカバーにマスコットである「ロモボーイ」のイラストが追加されたこと。そして向かってレンズ左側にあったF値可変レバーは省略されていること。まあF値可変といってもフラッシュ撮影時にしか用途がなかったから、通常は特に困ることはなさそうだ。
レンズは構成まですべて同じかどうかわからないが、オリジナルと同じ名前のMINITAR 1 F2.8の32mmのまま変わっていない。その他細かくチェックすると、ファインダー内にあったゾーンフォーカス表示がなくなっているなど、コストカットされたと思われる点が多い。
一方で追加された機能として、ボディ底面にある「MXスイッチ」と呼ばれるスイッチをスライドさせることにより、フィルムの巻き上げなしにシャッターが切れるいわゆる多重露光撮影が簡単に出来るようになった。もともとLC-Aはアート愛好家に強く訴求するカメラでもあったから、クロスプロセス手法とともによりアーティスティックな写真が撮れますよというアピールポイントのひとつとして採用されたものと思われる。
多重露光×クロスプロセス
では実際に多重露光とクロスプロセス現像でどのような写真が出来上がるのか。LC-A+にて通常のネガフィルムを使い多重露光撮影後、前回(過去記事こちら)同様Lightroomで疑似クロスプロセス処理をして実験をしてみよう。冒頭の写真もこの手法で出来たショットであり、なんだか横溝正史的な世界観を醸し出す一枚となった。
とりあえず近場の神社の境内で撮影したが、まず適当に撮ってもただの失敗写真のようになってしまう。
実際、ネガを現像に出した際、「この写真は以下の理由により撮影に失敗している可能性があります・・・・①手振れ②多重露光・・・」みたいな注意書きが同封されていたから(笑)、現像したお店の方は「あらあらこんなに失敗しちゃって・・・」みたいに思ってたんだろう。お恥ずかしい限りである。
神社だとおどろおどろしくなってしまうので次にショッピングモールにロケーションを変更。
わかったことは、適当に撮っても多重露光写真は成功しないということだ。お花畑×観覧車とか、海岸×ビル街とか、ある程度イメージをつくったうえで撮影するのが望ましいと思われる。とはいえうまい具合に同じ撮影先で予定通りの被写体にめぐり合えるとは限らないから、難易度は相当高いと言っていいだろう。尚、LC-A+そのものの写りは先代のLC-Aとそう変わりなく(個体差はあるかもしれないが)、個人的な見解としては決して良く写るカメラというわけではないので、そこはわかったうえでそれでもなおチャレンジする気合が持てるならば、試してみるのも面白いかもしれない。
コメント
コメント一覧 (2件)
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笑わせていただきました.笑
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いや、イメージは犬神家の一族かなと(笑)