丸形外付けファインダーがほしいなら有力候補
NH-VF28は2008年、NikonのコンデジP6000用のアクセサリーとして生産されたものだが、28mm画角の外付けファインダーとして使うぶんには汎用的にどんなカメラでも使用することが可能だ。ちなみに生産完了品なので、現在入手は中古または市場に残っているデッドストック品を探す必要がある。
ファインダーを覗いて写真を撮ることに慣れていると、スマホやコンデジでファインダーがないデバイスでの撮影がなんとなくしっくりこないということがたまにあるが、そんな場合のアクセサリーとして重宝するのが外付けファインダーだ。一部製品を除いて単焦点の光学式が殆どであり、自分の欲しい画角の製品を購入する必要がある。
これらの製品は電子接点を持たず、固定された視野角のブライトフレームがファインダー内に表示されているだけである。カメラ側でズーミングをしようが、ピント位置を変えようが、ファインダー側では一切関知しない。デジカメのファインダーに慣れてしまった方にとっては不便にしか思えないだろうが、こうした外付けファインダーの存在意義はただひとつ、ファインダーを覗いてフレーミングをする、この一点に尽きる。ようするに写真に写る範囲を示すだけのガラス玉というわけだ。
この製品をデジカメで使う場合と、フィルムカメラ(レンジファインダーカメラ)で使う場合ではその意味合いと言うか重要度が全く違ってくるので、これが必要かどうかは以下の2パターンを参考としてご判断いただきたい。
GRⅢに装着する場合のメリット・デメリット
まずは愛用のGRⅢに装着してみよう。コンパクトが最大の魅力であるGRにこうしたアクセサリーを付けてわざわざサイズアップさせてしまうことがいいのかどうかはわからないが、とりあえずどうしてもファインダーを覗いて撮影をしたいという場合はこれでニーズを満たせる。
GRⅢの純正アクセサリーにも外付けファインダーが2種類ラインナップされているが、どちらも形が四角い。性能というか実用性に違いはないので、見た目丸いのが好みというのであればNH-VF28が有力候補となるだろう。ちなみに現在丸形の外付けファインダー自体非常に種類が少ないので、純正の下記製品のほうが入手はし易い。
背面からみたところ。ファインダーを覗いている時はピントがどこに合っているのかわからないので、モニターのピント位置は中央に固定しておいた方が無難だろう。
ちなみにファインダー越しの写真を撮ってみたので雰囲気を掴んでもらえれば幸いである。ファインダーで見える映像を更に写真に撮っているのでさすがに少しにじんで見えるが、肉眼ではもっとちゃんとクリアに見えていることは記しておこう。
ライカCL(ライツミノルタCL)に装着する場合
むしろこれが必要になるのは、28mmの画角に対応しないファインダーを搭載したレンズ交換式レンジファインダーカメラであろう。例えばライカCL(ライツミノルタ)はファインダーが40mm・50mm・90mmしか対応しない為、28mmのレンズを装着すると撮影自体は可能だがフレーミングができないということになる。こうした場合、外付けファインダーを装着し、ピント合わせはカメラ内ファインダーで、フレーミングは外付けファインダーでと、担当機能を分業することで機能を補完するわけだ。先日導入したGRレンズ28mmF2.8をライカCLで使うならちょうどこの姿となる。
一眼レフやミラーレスカメラを使っている方にしてみたらなんて面倒なと思うだろうが、一眼レフがカメラの主流となる以前はこれが普通の使い方であった。例えば28mmブライトフレームを搭載しないM4-P以前のM型ライカ等で28mmレンズを使いたいなら是非持っておきたいアクセサリーである。あるいはそうでなくても装着した姿はクラシックでいい雰囲気なので、意味なくクラシックカメラに付けてみるというのも意外にいいかもしれない。
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