日独混血のM型ライカ実写レポート
導入後なかなか外出する機会がなく少し日が経ってしまったが、やっとひと通り使用することが出来たのでライカCL(ライツミノルタ)の実写レポートをお届けしよう。
使用したレンズはフォクトレンダーNOKTON classic 40mmF1.4。本来であれば当時の標準レンズであるMロッコールかズミクロンにて実写レポートをすべきとは思うが、生憎どちらも今のところ入手のめどが立っておらず、手頃なフォクトレンダーで代替することをお断りしておきたい。従って写り自体はライカCLのというよりもむしろノクトンクラッシックのそれということになってしまうが、なるべくボディであるライカCL側の使用感を中心にお話ししたい。使用したフィルムはフジの業務用100。ネガ現像後Nikon Z6にてフィルムデュープ、Photoshopで諧調反転を施したうえでLightroomで画質調整しデジタイズを行っている。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
新宿西口付近を通りすがりに撮影した。このあたり一帯は駅前なのに意外にごちゃっとしていて、きちんと整備された東口側よりもむしろ雑多な感じが好みの町並みだ。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
言ってしまえばマニュアルフォーカスであるライカCLは、撮影までにカメラを構えてファインダーを覗いて、絞りとシャッタースピードを決めてからピントを合わせて、そしてやっとシャッターを切ることが出来る。速射性はほぼ望めないわけで、ストリートスナップを取るにはそれなりの心積もりをしておかなければならない。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
新宿NSビルにある巨大カラクリ時計。いつか撮影しようと思っていたがやっと実現した。レンジファインダーはピント合わせにファインダー内の二重像を合致させる必要があるが、実はカメラを縦位置に構えるとこれが実にわかり辛い。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
巨大ホテル、ハイアットリージェンシー。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
ホテル内のカフェで一休みして店内を撮影。シャッターを切った瞬間はいい絵が撮れた予感がしていたが、現像してみるとなんと手振れを起こしていた。デジタルや手振れ補正機能に慣れきっていて、シャッタースピードの低下に気付かなかったようだ。自戒の意を込めて恥ずかしながらアップロードしておこうと思う。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
こちらは同じ店内だがちゃんと設定を確認してきちんと構えて撮ったもの。絞り開放付近で背景のボケがいい感じに撮れた。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
ハイアットリージェンシー隣の新宿住友ビル内、三角広場。室内でありそこまで絞り込んでいないはずだが、かちっとした絵が撮れている。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
このあたりはかつて「淀橋浄水場」があり、東京首都圏の近代水道発祥の地ということで当時の蝶型弁が展示されていた。足を止めて見る人は私以外誰もいなかったが。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
ロケーションを南口付近に移し、夕刻の時計塔を撮影。うっすらと赤みがかった雲の感じとか良く記録されている。
LEICA CL voigtlander NOKTON classic 40mmF1.4
一日使ってみたが、まずオート機能を一切搭載していないライカCLは、日頃デジタルに慣れきってしまった身からすれば相当にめんどくさい。数々のフィルムカメラを使ってきた私ですらそう思う。しかし、そのプロセスを通過して撮れた絵は一枚一枚妙に思い入れが残り、写真の出来映えで一喜一憂してしまうほどだ。おそらく、ライカとは言ってもこのCLは正当なライカとは言えないのかもしれないが、手に取って操作する一体感というものは確かに感じる。そのめんどくささも含めて手元に置いておきたい一台である。
コメント
コメント一覧 (2件)
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蝶型弁、そういう経緯があって飾ってあるんですね。
初めて知りました。
そしてこれ、私の職場の隣です笑
確か自分も撮った記憶があります。
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新宿お勤めですか。
中古カメラ店がたくさんあって、誘惑に耐えるのが大変ですね(笑)