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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

OLYMPUS PEN FT ◆レビュー メンテナンス編◆

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目次

世界初のハーフサイズ一眼、PEN Fとは

オリンパスペンFシリーズは1963年発売の世界初ハーフサイズ一眼レフ。F、FT、FVの3種類あるが、その端正なフォルムと、他に競合となる機種が殆どないことから、発売から50年以上経った今でもたいへんな人気を誇る。今回は唯一の露出計内蔵機であるFTを入手した。

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フィルムが高価だった時代に、通常の倍の枚数が撮影できるという経済性で大ヒットしたPENシリーズの最上位機種として登場したまさかのレンズ交換式ハーフカメラがPEN Fである。その構造は縦位置のミラーが横に開閉するという独自の機構を持ち、ペンタプリズムでなくポロプリズムをミラー横に配置することでフラットなフォルムを可能とし、この為通常の横走りフォーカルプレーンシャッターが使えず、代わりに半円状のロータリーシャッターが採用されるなど、他に類を見ない独自の構造を持つ機械式カメラとなった。

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機械式カメラなので電源を必要としないが、シリーズ中唯一「FT」だけが内蔵する露出計を動かすために電池を使用する。逆に言えば露出計を使わないなら一切の電源は必要ない。今では露出をカメラが自動で計測するのが当たり前だが、この時代はまだまだ露出計のないカメラも多く存在していた。

修理のハードルは高め。稼働品を狙うのが無難

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今回入手した個体は、シャッターはバルブ含め全速出ているようで、ファインダーはコーティング剥がれは見られたがほどほど綺麗、セルフタイマーも稼働しており一見正常稼働品かと思われたが、露出計は稼働はするもののだいぶアンダーである。そういえば別に所有しているOM-1も露出計がうまく動かない個体であり、どうも私が手を出すオリンパス機は露出計に瑕疵がある場合が多い。

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ボディ裏側にはおそらく白色でイニシャルか何かを記入した跡を黒く塗りつぶしたような痕がある。無水エタノールで拭いたくらいでは全く効果がなく、しばらくこのままで様子を見ることにした。

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モルトは案の定ボロボロに剥げ落ちるような状態だ。とりあえずこれだけは自力で修復できるので、いつものように貼り替えを行った。Aki-AsahiドットコムにPEN F/FT用のモルト張り替えキットが販売されているので、そちらを使うのも手だが、今回は例によって手持ちのモルトシートをカットして自力で行うことにした。

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シャッター幕部分を養生し、劣化したモルトを無水エタノールとつまようじなどを使って清掃する。

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きれいに除去できたら汎用のモルトシートをカットして貼り付けよう。フォーカシングスクリーン脇部はなぜか劣化が小さく今回モルト交換は見送ったが、問題なのは内部プリズムユニット周辺のモルトだ。このパーツはボディを分解しないと摘出すること自体不可能であり、現状そこまでやるかどうかの判断をする必要がある。

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当たり前だがカメラは素人が簡単に分解するようにはできていないので、分解行為を行うことには一定のリスクが伴う。妥協できるところは妥協して、どうしても修復の必要に迫られた時にまた考えることにしよう。

露出計が実用にならないが、もともと露出計がなくてもフルマニュアルで使える機種なのでこのまま使ってみることにした。記事冒頭の写真は、こんな時のために導入しておいたフォクトレンダーの露出計VC-Meter(過去記事こちら)を装着した姿であるが、クラッシックな佇まいが非常に趣深い。実写レポートはまた近日中に。

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