KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
ジャーニーコニカ上位機「すご腕ジャーニー」の実写レポート
メンテナンスを行い、何とか復活したコニカC35FDの試し撮りをしてみよう。
可能な範囲でメンテナンスを行ったC35FDだが、前述の通り未だスローシャッターに粘りが残るのと、レンズ内部の清掃をしきれていない状態での試し撮りである。この為、フィルムはISO400の高感度のものを使用し、シャッタースピードが出来る限り低下しないようにした。まあなにしろ発売が1973年のカメラなので、撮影できるだけでも奇跡くらいの感覚で臨むことにしよう。
それでは早速サンプルショットを投下しよう。使用したフィルムはフジ業務用400。現像後Z6でフィルムデュープしデジタルデータ化後、Photoshopで階調反転をしたうえでLightroomで調整を行った。
写りは優秀。工夫次第で背景ボケも楽しめる一台
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
モルトは張り替えたが、どうやらどこか足りなかったようで多くのショットで光線漏れを起こしてしまっていた。モルトに関しては見直しを行うが、ただこうしたカメラでは光線漏れもひとつの演出のような効果を生むので、撮影した写真の価値が下がるものではないと私は思っている。なおこの時代のカメラはみんなそうだが、逆光耐性は低くこういうショットではフレアが盛大に発生する。ただ雰囲気は決して悪くない。
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
普通に撮ったショットは、ヘキサノンの名に恥じない素晴らしい写り。レンズ内の清掃をしきれなかったにも関わらずとても良く写っている。
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
本機はシャッタースピード優先AEなので直接絞りをコントロールすることは出来ないが、せっかくの大口径レンズなので、なるべくシャッタースピードを上げて絞りが開くようにし、背景ボケができるようにして撮影。なかなかよくぼけている。
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
同様に、こちらも窓の外がほどよくぼけて遠近感のある雰囲気の良いショットとなった。冒頭のショットも手前の燈籠にピントを合わせ、背景を適度にぼかしている。これは開放F値がF2.8の普及版C35ではなかなか撮れないと思うので、上位機種ならではのアドバンテージは確かに感じる。
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
画角は38mmでほどよい広角だが、最短撮影距離は0.9mと現代の感覚からすればかなり長いので、小物撮影やテーブルフォトには使い辛いだろう。
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
KONICA C35FD (dupe by Nikon Z6)
普及版C35も素晴らしい写りをするが、F値が1.8になったことでボケを意識した撮影が可能になり、一眼に迫る絵作りができる貴重な一台と言える。ここまで写るなら、レンズ清掃とスローシャッターの修理も継続して行っておこうかと思う。コニカファンならずオールドカメラファンならぜひ一度は手にしていただきたい。
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