645フォーマットの実写レポート
銀塩35mmフィルムの約2.5倍の面積である645フォーマットを採用する、PENTAX645の実写レポートをお届けしましょう。PENTAX645という機種についての外観および操作感については、こちらの記事をご覧ください。
レンズはこのカメラの標準レンズ的な位置付けにあるsmc PENTAX-A 645 75mm F2.8。シリーズ中最も薄型で取り回しも良く、中判フォーマットとしては明るいF2.8というスペック。ちなみに645判で使う75mmという画角は、35mm換算で約45mm相当となります。
ロケーションは創立71周年を迎えて敷地内の一般開放行事を行った陸上自衛隊松戸駐屯地。何があるのかよくわからないまま、近所だったというだけでカメラ片手に訪問しましたところ、ご覧のとおりの賑わいでびっくり。
普段は入ることのできない駐屯地の内部見学ということでうろうろしていますと、何でしょうこれ対空ミサイル砲みたいなものを発見しました。すごい。近所にこんなものが装備されていたとは驚きです。
この駐屯地内には銀杏並木がありまして、この季節は鮮やかな黄色に色付いてとても綺麗。この近所にこんな銀杏並木は多分ここだけですので、この日以外は一般の人は見ることが出来ないのですね。残念というか勿体ない。
多くの645判カメラは120フィルムを使って16枚の写真が撮れますが、PENTAX645は仕様で15枚しか撮れません。近年銀塩フィルムは異常なほど高騰していますので、この1枚分のロスはちょっと勿体ないなあ。
今回の撮影は絞り優先モードで行いましたが、大きく露出を外すということはありませんでした。基本的に挙動は安定していていて、タフな使い方にも十分耐えられそうな雰囲気です。ただ当然ですが手振れ補正機能など付いていませんので、35mmカメラに比べればかなり大きく重いボディを取り扱うことになるため、常に手振れには気を付けるべきでしょう。
奥側にピントを合わせると手前の人物はボケますが、立体感のある写り方でいいですね。この日はあまりボケをつくるような構図の撮影ができなかったので、そのうちF値開放付近の写りも確かめておきたいところ。
さすがに戦車はなかったのですが、装甲車があって乗車体験会を行っていました。私が行ったときはすでに受付を終了していて乗車することは叶いませんでしたが、その代わり撮影だけはしておきましたよ。
さて、ご覧のとおり645フォーマットの写りは、35mmフィルムとは比べ物にならない解像感の高い素晴らしいものでした。銀塩フィルムの記録面積の差は、デジタルフォーマットで言うところのフルサイズとAPS-Cの違い以上の明確な画質の差があります。今回の装備はボディとレンズ合わせても6~7万円程で調達できるくらいのものですが、例えば35mmフィルム一眼レフで同じ値段でカメラとレンズを調達してもここまでの絵は叩き出せないと思います。そう考えると、ものすごくコスパのいい装備ではないでしょうか。
PENTAX645のレンズ群は後にオートフォーカス可能なFAシリーズに置き換えられたため、マニュアルフォーカスしかできないAシリーズレンズはかなりのリーズナブルな価格で取引されています。何本か購入しても懐具合のダメージは小さいので、銀塩ラージフォーマットの入門機としてもお勧めですね。
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