初代PENTAX 645の基本的な使い方まとめ
PENTAX645が発売された1984年といえば、各社新しいカメラのデザインを模索していた時代です。PENTAXでもMEスーパーとかスーパーAとか、ボタン操作を軸としたUIを導入してモダンさをアピールしていたわけですが、結局は使い辛かったためかほどなくこうしたタイプのカメラは淘汰されていきます。
645もそうした時代の真っただ中に発売されたためか、現代のカメラ操作の常識からするとちょっと特殊な操作感を持っています。今回は初めてこのカメラに触れる方でもすぐに使うことが出来るように(笑)、基本的な操作方法を記しておきましょう。
フィルムの装填方法
まずは所見では必ず迷う、120フィルムの装填方法を解説します。
ボディ裏側のレバーを回してフィルムバック(フィルムを装着するユニット)を外します。
フィルムバックにはフィルムを装填できる場所が左右2箇所ありますが、フィルムを押さえる金具にSの文字が付いているほう(写真右側)に新しいフィルムを装着します。反対側の空きスペース(写真左側)には空になったスプールを装着します。
空スプールのほうを先に装着しておきましょう。ちなみにスプールは120フィルムを巻き付けてある内軸のことですが、初めて120フィルムを使うような場合は別途どっかから調達しておく必要があります。わざわざこのために120フィルム1本を無駄に購入するのも勿体ないので、中古カメラ店などで店員に相談するとか、ヤフオク、メルカリ等で探してみるのもいいかもしれません。
写真の方向でフィルムを装填します。上下を間違えないようにしましょう。
フィルム先端をぐるっとまわして、空スプールを装填したほうへ巻き付けます。
スプールの切り込みにフィルム先端を挟み込み、ダイヤルを回して巻き付けていきます。
フィルムに写真のような矢印が出てきたら、Sの位置と合わせます。
フィルムバックをボディに装着します。
装着したらシャッターを1回押すとフィルムローディングが始まり、LCDに1の番号が現れます。これでフィルムセット完了です。
基本的な操作方法をチェック
撮影モードの選択
レンズの絞り輪をAにセットします。ちなみにAにしなくても絞り輪を可変させることで絞り優先モードで撮影することは出来ますが、その場合ファインダー内に絞り値のLED表示がされなくなるので、Aにしたうえで絞りはボディのボタンでコントロールするほうがわかりやすいかと思います。今回はAセットすることを前提に説明していきます。
A文字とその手前の赤いひし形を合わせます。A位置に合わせたり解除したりする際は、A文字の隣にあるボタンを押し込みながら行います。
カメラ左側のMODEボタンを押しながら、右側の上下ボタンを押すことで撮影モードを変更できます。写真のようにLCDに表示された「Auto」文字下に「F」文字が出たら絞り優先モードで、写真ではF8の状態です。この状態でMODEボタンから手を放し、上下ボタンを押すことでF値を可変させることが出来るようになります。
同じ操作で、「Auto」下にただの数値が現れていればシャッター優先モード。写真はシャッタースピード1/125になります。同じようにこの状態でMODEボタンから手を放し、上下ボタンを押すことでシャッタースピードを可変させることが出来ます。
「Auto」文字下が「P」のときは絞りもシャッタースピードもカメラおまかせのプログラムオートモードです。
露出補正ボタン
±EFボタンを押しながら上下ボタンを押すことで露出補正ができます。補正した値はLCDの写真の位置に表示されます。ちなみにISO設定はISOボタンを押しながら上下ボタンを押すことで行いますが、写真は割愛します。
ファインダー内LED表示
LEDボタンを押すことでファインダー内のF値とシャッタースピードの表示をON/OFFさせます。
ファインダー内の右下に赤く表示されます。
LCD照明ボタン
ちょっとわかりにくいのが写真の〇ボタンです。押すことで約12秒間、LCD表示窓内にライトが付きます。暗い場所での撮影の際に設定を確認するためのものと思われますが、照らしても結構暗いので実用になるかどうかは不明です。
基本的な動作はこんなところでしょうか。幸いメーカーのHPからは今でもマニュアルのPDFがダウンロードできますので、より詳しい操作方法を知りたい方はそちらも見ていただくとよろしいかと思います。
それでは次回は実写をして、ラージフォーマットの画質がどれだけのものか見ていきましょう。
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