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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM ◆レビュー◆

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目次

お洒落なコンパクトカメラ、TIARAシリーズ2代目

CARDIA MINI TIARA ZOOMは、富士フィルムのコンパクト(フィルム)カメラ、CARDIAシリーズの派生モデルとして1994年発売された28mm単焦点レンズ搭載の初代TIARAに続き、レンズを28mm~56mmのズームに変更し発売されたシリーズ2代目のTIARAである。

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 CARDIAシリーズはもともとプラスチックボディのお手軽旅行カメラという位置付けであったが(過去記事こちらもご参考まで)、TIARAというサブネームから連想される通り、こちらは明確に女性ユーザーを意識したものと思われる。価格帯はさほど上げずに、ボディをアルミニウムながら金属製とし見た目のお洒落感を大幅にアップさせつつ、スーパーEBC フジノンレンズを採用することで意外にも描写に定評があったようだ。


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 初代TIARAの28mm単焦点レンズをズームレンズに変更した本機TIARA ZOOMだが、広角端28mmを残しつつ望遠端をあまり欲張らずに56mmに抑えることで、一定の描写クオリティをキープしたと言われる。しかしながら、F値はF4.5~F7.5と相当暗い。


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 当時のコンパクトカメラはフラッシュを内蔵しているのが当たり前であり、暗い場所はフラッシュを焚くというのが一般的な撮影スタイルの時代である。レンズは暗くても構わないという風潮が確かにあった。従って、本機TIARA ZOOMも蓋を開いて電源を起動させると、デフォルトでオート撮影モードとなり、暗い場所ではフラッシュが発光してしまう仕様だ。発光禁止設定を行っても一度電源を切って再起動させるとクリアされるので、意図しないフラッシュ発光を防ぐには起動の度に発光禁止設定を行わなければならない。


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 当時グッドデザイン賞を受賞しているだけあって、外観は今見てもお洒落で好感が持てるが、外装をアルミニウム製としたことで傷や歪みが生じやすく、耐久性という面からすれば脆弱という他ない。せっかくの美しい外観が長続きしにくいというのは構造上の欠陥といっても言い過ぎではないと思う。今回入手した個体も、画像処理で綺麗に見せているが実は結構傷だらけだ。現在美しさを保っている個体がもしあったら、是非大事にしていただきたい。


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 当時流行っていた高級コンパクトカメラ、CONTAX TVSと並べてみた。期せずしてこのTVSも28mm~56mmのズームレンズを搭載しており、共に金属外装であるなど共通点も多いが、チタン外装とカールツァイスレンズを搭載するTVSとの価格差は約3倍であった。だが、こと描写力では引けを取らないとの噂もあり、早速試写を行ってみようと思う。
 使用したフィルムはフジX-TRA400。ネガ現像後Nikon Z6にてフィルムデュープ、Photoshopで諧調反転を施したうえでLightroomで画質調整しデジタイズを行っている。

描写は良好も暗いレンズはシーンを選ぶ

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FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM (dupe by Nikon Z6)


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FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM (dupe by Nikon Z6)


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FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM (dupe by Nikon Z6)


 日中の屋外ではF値の暗さが弱点にならないこともあってとても良く撮れている。オートフォーカスも正確で、絞りもシャッタースピードもコントロールできないカメラ任せのオート撮影としては十分な写りだ。PhotoshopとLightroomで画質調整を行ってはいるが、色再現性も良好に思える。56mm止まりとはいえ、ズームレンズも確かに便利なことは多い。


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FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM (dupe by Nikon Z6)


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FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM (dupe by Nikon Z6)


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FUJIFILM CARDIA MINI TIARA ZOOM (dupe by Nikon Z6)


 暗い室内や夜間のショットで、こちらもなかなかの良好な写り。但し、F値が暗いので手振れを起こしたショットも多かった。28mmでもF4.5なので、ISO400のフィルムであっても夜間の手持ち撮影はかなり厳しい。だからといってフラッシュ撮影も個人的にナシなので、日中もしくは明るい場所用のカメラと思って割り切って使うしかないとしたら非常に勿体ない。


 ではCONTAX TVSと比べて描写はどうなのかと言われると、好みもあるだろうが条件によってはTIARA ZOOMが勝つシーンはあり得ると思われた。コントラストの強い油絵のようなTVSの絵作りは魅力的だが、結構オートフォーカスを外すことも多い点を考えれば、本機TIARA ZOOMの信頼度は明らかに上であり、描写自体も良好とあればトータルでTIARA ZOOMを選ぶ方がいても全く不思議ではない。暗いレンズとの折り合いをどう付けるのかが、本機を評価する分かれ目となりそうだ。

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