Nikon Z6 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G F1.8 1/500秒 ISO100
■Nikon中望遠レンズF1.8普及型Gタイプ■
単焦点の85mmF1.8といえば、安価で写りも良いNikkor 85mmF1.8D(過去記事こちら)を愛用していたのだが、NikonのミラーレスZ6ではマウントアダプターFTZを経由しても、Dタイプレンズはオートフォーカスが不可となる為、やむなくGタイプの本製品への買い替えを行った。
Nikonの単焦点F1.8シリーズは比較的リーズナブルな価格で十分な高画質を楽しめることで人気だが、中でも本機AF-S NIKKOR 85mm F1.8 Gはすこぶる評価が高い。もちろんもう一段明るいAF-S NIKKOR 85mm F1.4 Gの神性能には及ばないながら、その1/3の価格で引けを取らない画質を実現していると専らの評判である。
D800に装着した姿もあまり大仰にならず、そこそこ納まりがよいのもありがたいが、最近はどうしてもよりコンパクトなZ6を持ち出す機会のほうが多い。
マウントアダプターFTZ経由でZ6に装着するとこのような姿となり、ボディのコンパクトさに比べてやや大柄かとも思うが、大口径であることを考えれば悪くないバランス感だろう。Zシリーズ用ではNIKKOR Z 85mm F1.8 Sがラインナップされているが、こちらはまだまだ価格が高いので導入はもう少し待ちたいところ。
それでは早速サンプルショットを投下しよう。今回はすべてマウントアダプターFTZを経由したZ6での撮影となる。
■コスパ最強クラスの中望遠。持っていて損はなし■
冒頭のショットは東京は上野のアメ横でのワンシーン。せっかくの大口径レンズなのでF値開放で撮影し、ケバブのメニューとそれを見る女性以外を大きくぼかすことに成功している。「アメ横」の看板も読める程度に大きくボケて、これだけでロケーションも一目瞭然だ。背景をぼかした写真がなにがなんでも良いというわけではもちろんないが、こうした場合は主題がぐっと引き立つ効果を得られる。
Nikon Z6 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G F2 1/100秒 ISO110
同じような効果を狙って上野東照宮の正門近く、旗の文字にピントを合わせロケーションを示唆したうえで、鳥居や正門は大きくぼかしたショット。ボケ方も自然で好ましい。尚、開放付近では条件によってはパープルフリンジが発生することはあるので、その場合はLightroom等にて除去しておきたい。大口径レンズでは仕方のないところだ。
Nikon Z6 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G F2 1/200秒 ISO100
少し近距離のショットで、「納」の字にピントを合わせ、背景の鳥居は大きくぼかした。
Nikon Z6 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G F2.2 1/1250秒 ISO100
一輪だけあるチューリップにピントを合わせ、前後の花をぼかしたショット。前後とも綺麗にボケている。
Nikon Z6 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G F3.2 1/100秒 ISO9000
愛猫のトラ。夜間の室内でなんとISOが9000まで上がってしまったが、画質の劣化は私的には許容範囲。Z6の高感度耐性も優秀な一枚。
Nikon Z6 AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G F8 1/100秒 ISO100
ぼかしてばかりも何なので最後にF8まで絞った風景のショット。奥の寺院にピントを合わせているが、絞ればご覧の通りのかちっとした写り。ぼかしても絞っても安定して良好な描写だ。
本製品は評判通りの高画質で、特段の弱点がなく価格もこなれておりコスパの面から言っても優秀な1本である。85mmF1.4には手が届かなくても、これで多くのシーンは十分賄えるはずだ。85mmという画角は使いどころに慣れが要るが、掴んでしまうとなかなか楽しい画角でもある。Zシリーズでも十分使えるので、今後も長く現役で使えるお勧めレンズだ。
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