R1Sの実写レポートをお届け
リコーR1Sはなんといっても伝説のスナップシューター「GR」の先祖ですので、描写には期待してしまいます。GRといえば伝統的に画角28mmの単焦点レンズを採用していますが、こちらR1Sは30mmのノーマルモード、および24mmのワイドパノラマモードという二通りの画角を装備しておりますので、そのあたりの操作感の違いも気になるところ。使用したフィルムはフジのC200。現像後Z6でフィルムデュープしデジタルデータ化後、Photoshopで階調反転をしたうえでLightroomで調整を行いました。
まずはフルサイズで記録できるように改造したワイドパノラマモード24mm画角のショットから。冒頭のショットもですがワイドパノラマモードで撮影すると四隅に急激な減光が起こりますので、Lightroomであえて減光部を強調して仕上げました。周辺部の画質は中心部に比べてだいぶ劣りますが、主題を周辺部に置くことはまずないでしょうから許容範囲内です。また右端に赤い変色があるのは光線漏れによるものですが、フィルムで撮ってたらまあこういうこともあるんだよって味のひとつとして逆に楽しんでしまいましょう。(私だけ?)
光線漏れの多くは24mmで撮ったショットに発生しているのですが、詳しい発生条件が不明です。後日判明したらレポートしようと思いますが、おそらく、カメラ裏側のフィルム窓を適当なテープか何かで完全に塞いでしまえば防げるのではないかと思っています。
続いて30mmのショットを。最短撮影距離が0.35mと結構寄れるので、テーブルフォトにも使えます。この手のコンパクトカメラはあまり寄れないものが多い中、ここまで寄れると表現の幅が広がります。
もう一枚寄り気味のショットを。寄れないカメラだと結局俯瞰的な状況写真しか撮れなかったりしますので、この仕様は素晴らしいです。
正直ものすごく良く写るというわけでもありませんが、24mm超広角も撮れてテーブルフォトもいける小型軽量フィルムカメラというひとつのパッケージとして考えると、よく出来たカメラと思います。絶対的な画質ではGRに譲るとしても、あえてこちらを使いたくなる独自の魅力があります。GRは高くて手が出ないという方にもおすすめです。
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