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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Canon demi EE28 ◆レビュー◆

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■デザインが秀逸なCanonハーフカメラ”demi”■

demiはキヤノンが1963年から発売していたハーフサイズのフィルムカメラ。フィルムが高価だった時代、通常の倍の枚数が撮影できるハーフサイズカメラは、1959年に発売されたオリンパスペンの大ヒットによってブームとなったが、demiはハーフサイズカメラとしては後発にも関わらずデザインが秀逸で操作性が良く、一躍人気となったという。

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シリーズは5機種が展開されたが、時が経ち次第にフィルムが高価でなくなってきたことにより、必然的にハーフカメラの意義も薄れ、1967年発売の本機EE28を最後にシリーズは終焉を迎える。本機はセレン光電池使用によるプログラム式EEを搭載したオート撮影専用機で、絞りリングはフラッシュ撮影用である。ピントは目測で合わせる方式だが中距離の3m位置にフォーカシングリングを合わせると、ほぼパンフォーカス撮影が可能であった。

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入手した個体は経年を考えると美品クラスで、モルトを張り替えた形跡が見られたが殆どメンテナンスの必要もなかった。本機は電池不要でオート撮影が可能だが、セレンが壊れてしまうとシャッタースピードは1/30固定となり絞りを可変できないため実質使用不可となってしまう。入手の際には必ずセレンが生きていることを確かめたい。

それでは早速サンプルショットを投下しよう。使用したフィルムはフジSUPERIA X-TRA400。現像後D800でフィルムデュープしデジタルデータ化後、Photoshopで階調反転をしたうえでLightroomで調整を行っている。ハーフカメラでは35mmフィルムの通常撮影する1画面をふたつに分割して撮影することになり、1ショット当たりの記録面積が半分となることから、デジタルカメラでこれを1枚1枚デュープする場合明らかに画質が劣化する為、2枚1組の組み写真形式で紹介しよう。

■写りは普通。お気軽お散歩カメラとしてはアリか■

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Canon demi EE28 (dupe by Nikon D800)

搭載するレンズは28mmだが、ハーフカメラにつき受光面が半分となってしまうので実質約40mm相当の画角となる。普通に構えると縦向きの写真となってしまうが、無理に横向きにしなくてもこのままパシャパシャ撮るのがスタイルかもしれない。

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Canon demi EE28 (dupe by Nikon D800)

ピントを合わせる以外はフィルム巻き上げとシャッターを押すしかすることがないカメラなので面白みは少ないが、コンパクトで携帯しやすいので持ち歩きは非常にラクだ。レトロなデザインも万人に受け入れられそうである。

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Canon demi EE28 (dupe by Nikon D800)

所詮はハーフなので画質を云々言うカメラではないと思うが、あえて言うなら写りのほうはそこそこ普通といったところで、全体的には若干オーバー目に写るようだ。パンフォーカス撮影もできると聞いていたので結構いい加減にピント合わせをしていたところ、何枚かはピンボケとなってしまった。ピント合わせは気を抜かないほうがよい。

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Canon demi EE28 (dupe by Nikon D800)

結構暗くなってからの撮影だがそれなりに写っていた。プログラムAEにつき絞りもシャッタースピードも弄れないが、オリンパスペンが暗い場所ではシャッターが切れなくなる親切(お節介?)な機能を搭載しているのに比べ、こちらはどんなに光量不足でもシャッターは切れてしまうので注意は必要。

以前オリンパスペンで試写をした時もそうだったが(過去記事こちら)、意外にハーフサイズカメラでフィルムを1本消費するのは難儀である。私の場合、同じ枚数を消費するのでも、ちゃんとしたカメラで狙って撮影する際はあっという間にフィルムを使ってしまうが、失礼な言い方だがこういう画質が期待できないカメラでだらだら撮影するのが多分性に合っていないのかもしれない。用途は人それぞれと思うが、フィルムで撮影したい、画質には拘らないという場合は通用の倍の枚数が撮影できるハーフサイズカメラはお得かもしれない。

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