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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED ◆ レビュー ◆

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展望デッキ
Nikon D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 1/1600秒 F2.8 ISO100

Nikon純正「大三元」標準ズーム初号機

Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは、開放F値をズーム全域2.8で一定とした大口径標準ズームで、14-24mmF2.8、70-200mmF2.8と合わせたいわゆる「大三元レンズ」のひとつ。2007年の発売以来、その描写力と堅牢性で多くのプロカメラマンの屋台骨を支えた高級レンズである。

2015年には後継となる手ぶれ補正VR機能の付いた新型AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRが発売されているが、その高い性能から旧型となった今でも新型と併売されている。絶対的な性能でいえばVR付きの新型が有利と思われるが、本機は新型より幾分小さく軽いこと、それになんといっても中古価格でいえば新型の半分ちょっとで済むというアドバンテージがあることから、未だに人気の衰えないモデルである。もっとも、新型の半分ちょっとと言っても10万円を少し超えるので、気軽に購入できる価格とは言い難い。

AFS_NIKKOR_2470mm_F28G_ED_01.jpg

また新型より小さく軽いとはいっても、全長133mm、重量900gと標準ズームとして決してコンパクトでもない。愛用するD800がバッテリー込みで約1,000gあるので、組み合わせるとそれだけで2キロ近い重量となる。同じく標準ズームのAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRに比べると全長で約1.5倍、重量で約2倍もあるうえ、今では普通に装備されている手ぶれ補正機能もないのだから、持ち出すにはそれなりの覚悟が必要になるだろう。尚、本機付属のレンズフードHB-40はパーツ固定用のロック機能付きの優れものだが、全長約70mmとこれまたレンズフードとしては巨大なため、これをセットしてしまうと本レンズの全長は約200mmと望遠レンズさながらの外観となる。

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(左)AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR、(右)AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

大きい・重い・高い、だが画質は文句なし

F2.8通しの標準ズームレンズといっても、純正にこだわらなければタムロンやシグマといったサードパーティ製で同等のスペックでなおかつ純正より安価な製品も存在するため、それでもなお大枚はたいて純正を購入する必要があるのかというのは誰しも思うところだろう。実際、前回レビューしたタムロンのSP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROなど新品でも3万円台で購入できる。この価格は本機の中古価格の1/3以下だ。

それでは早速サンプルショットを投下しよう。

国立新美術館のカフェ
Nikon D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 1/160秒 F2.8 ISO100

冒頭のショットとともにせっかくなのでF値を開放2.8に開けて撮影した。展望台では手前の椅子にピントを合わせ、奥側の椅子や窓の外をぼかすことで立体感を演出した。2枚目のショットは手前のメニュー付近にピントを合わせ、後方のカウンター部分をぼかしている。これらの演出の好き嫌いは別として、開放F値が2.8という大口径レンズならではのショットといえる。前回レビューしたタムロンのSP AF28-75mm F/2.8 に比べるとボケの出方がやはり自然で上品であり、同じ大口径レンズといっても違いは一目瞭然。

山道の鳥居
Nikon D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 1/40秒 F5.6 ISO100

薄暗い山道に現れた鳥居をF5.6にて撮影。やや逆光で条件はあまり良くなかったが、ゴーストやフレアもなくまた見ての通りの精細な写りを確認できた。AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRも画面中央部は良好だが、こちらは画面の隅々まで描写が細かくまた四隅の画像の流れがほとんど気にならない。

野焼き
Nikon D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 1/40秒 F5.6 ISO100

山林の集落で野焼きをしている風景。Lightroomで現像・調整はしているものの煙と光芒の描写が見事に見たままのショットとなった。

パンジー_2017
Nikon D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 1/320秒 F3.2 ISO100

トースト
Nikon D800 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED 1/50秒 F2.8 ISO3200

近景のサンプルとして花とデザートを撮影。どちらもF2.8開放にて撮影しているが、前後ともボケ方は自然で好ましい。最短撮影距離が38mmと短めなので、テーブルショットやちょっとした小物類の撮影にも使える。
本機は評判通りの素晴らしい描写でありNikonを代表するレンズのひとつであることに間違いはない。今回は動きものを撮っていないが、オートフォーカスの速さも特筆に値するレベルであり、およそ標準ズームレンズに求められる要素を高い次元で実現させた非常に稀有なレンズであるといえるだろう。手振れ補正機能はないが、この焦点距離においての撮影では、夜間や暗所といったシチュエーションを別にすれば手振れを起こしたショットは実際ほとんどなかったことから、必ずしも弱点とはならないと思われ、総合的にはすべてのNikonユーザーに自信をもってお勧めできる銘玉といえる。機会があったら是非手にしていただきたい。

AFS_NIKKOR_2470mm_F28G_ED_04.jpg

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