Nikon D800 AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR 1/60秒 Ｆ4 ISO3200
ニコンのいわゆる小三元レンズのひとつ、AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR を購入した。ニコンの望遠レンズとしてはAF-S VR ZOOM-NIKKOR 70-300ｍｍ f/4.5-5.6G IF ED を導入済みであったが、このレンズ決して悪くはないものの期待する描写レベルには一歩及ばず、我慢して使い続けるのも精神衛生上良くないので思い切って買い換えたという訳だ。（AF-S VR ZOOM-NIKKOR 70-300ｍｍ f/4.5-5.6G IF ED のレビューはこちら。）
ニコン純正でAF-S VR ZOOM-NIKKOR 70-300ｍｍ f/4.5-5.6G IF ED 以上のクラスの望遠ズームとなると、実売で10万円以上という高級レンズしか存在しないのは痛いが、その中でも本製品は比較的発売時期が新しく、ナノクリスタルコートを施すＦ4通しのハイスペックレンズでありながらも全長を20ｃｍ以下に抑え重量も850ｇと比較的コンパクトに仕上げている。描写でいえばＦ2.8通しのいわゆる大三元レンズには負けるだろうが、軽量コンパクトというのは大きなアドバンテージである。なにしろ私は日頃、機材が詰まったショルダーバッグを肩から吊るして電車移動するのだ。軽いにこしたことはない。
それでは早速作例を投下しよう。
Nikon D800 AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR 1/125秒 Ｆ11 ISO100
F11まで絞って昼間の遠景ショット。70ｍｍ付近。カリカリにシャープという印象ではないものの自然な精細感ある描写で好感触。
Nikon D800 AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR 1/25秒 Ｆ4 ISO400
こちらは薄暗かったので開放F4にて。展望台からの撮影なので窓ガラス越しのショットとなるが、なかなかの精細感のある描写だ。ISOを400に抑えてシャッタースピードは1/25まで落ちてしまったが、なんとか手振れしないで済んでおり、VR（手ぶれ補正）の効き具合もなかなかのもの。ちなみに1枚目のイルミネーションのショットはかなりの暗がりでISO3200だが、オートフォーカスはそれでも正確に被写体を捕えた。開放にして光点もほぼきれいな円形を保つことができている。
Nikon D800 AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR 1/50秒 Ｆ4 ISO3200
夜のイルミネーションを遠景で。これもF4開放でISO3200の手持ち撮影という悪条件ながら、その場の雰囲気をよく捕えている。本レンズの開放F4は夜間の手持ち撮影ともなるとF2.8に比べ不利にも思えるが、その代わり小型軽量につき手持ちでもホールドしやすく、最近のカメラは高感度にもある程度強いことを考えれば、トータルではあながち不利とも言い切れない。
Nikon D800 AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR 1/160秒 Ｆ4 ISO280
最短撮影距離ズーム全域1ｍという利点を生かして望遠マクロっぽい使い方もできる。このクラスの望遠レンズで最短撮影距離がここまで短いのは珍しい。ボケも煩くなく自然で立体感のある描写だ。
Nikon D800 AF-S NIKKOR 70-200ｍｍ f/4G ED VR 1/60秒 Ｆ4 ISO3200
もうひとつ望遠マクロ的な例。暗かったのでISO3200となってしまいいくぶんざらついた絵となったものの、描写そのものは見たまま正確に撮れている。
本製品はF4通しの小三元スペックということで、同じ値段を出せばサードパーティ製でF2.8通しの大三元レンズが購入できる価格帯であり、絶対的な描写力を追及するならやはりF2.8に利があると思われるものの、それでもあえてこちらを選ぶかどうかが意見の分かれるところだろう。このレンズのアドバンテージは小型軽量であることとと、最短撮影距離が短いことの２点につきる。ここに魅力を感じるなら購入して損はない。ただし、ボケは美しいが控えめであることは言っておこう。機動力重視の方にお勧めだ。
コメント