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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

HOLGA 120 CFN ◆レビュー 外観編◆

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目次

中判トイカメラの雄、HOLGA120とは

ホルガ(HOLGA )は1982年、香港で生まれたトイカメラ。安価で大量に販売されることを前提としていたため、安っぽいプラスチック製の外装と簡単な構造そして収差だらけの低品質なレンズで構成されていて、それゆえ現代のカメラでは考えられないほどの低画質な写真が撮れます。しかしながらそのローファイな写真は逆にアートの分野でカルト的人気を集め、多くの賞を勝ち取ることとなり、一部愛好者や芸術家などに根強く支持されています。

似たような存在でロシア生まれのトイカメラ、LOMO LC-Aが想起されますが、あちらは一般的な35mmフィルムを使用するのに対し、ホルガ120は中版フィルム(ブローニー版:120フィルム)を使用します。

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ちなみにLOMOにも120フィルムを使用する機種もあるし、ホルガにも35mmフィルムを使う機種もありますが、今回お話しするのは120フィルムを使う王道のホルガ120シリーズです。

HOLGA120シリーズのバリエーション

現在一般的に入手できるホルガ120Nシリーズには、レンズがプラスチック製かガラス製か、フラッシュが内蔵されているかいないか、内蔵フラッシュが4色カラーフラッシュか単色フラッシュかどうかで全6種類のバリエーションがあります。型番と仕様の違いは以下の通りです。

型番レンズ材質フラッシュタイプ
120Nプラスチックなし
120FNプラスチック単色フラッシュ
120CFNプラスチック4色フラッシュ
120GNガラスなし
120GFNガラス単色フラッシュ
120GCFNガラス4色フラッシュ

今回入手したのはプラスチックレンズで4色カラーフラッシュを内蔵する120CFN。たまたま近所のリサイクルショップのジャンク箱に転がっていた個体を救済してきたもので、ええといくらだったかな、確か300円かもっと安かったと思います笑。ご覧のとおりのプラスチック製トイカメラなので、普通の方は大枚はたいて購入する気にはなれないシロモノとは思いますが、こんなトイカメラに無駄に高価な120フィルムを使うという誰得な仕様が気にはなります。

ちなみに現在、120フィルムの相場感は1本あたり2,000円前後しますので、もはや「トイ」なんて言ってられませんね。

HOLGA120の構造

内部の構造をチェックしてみましょう。

レンズは自社製の60mmF8単焦点。中判の60mmなので35mm換算では約36mm相当の広角レンズということになります。F値は公称F8固定ですが、いろいろ調べてみるとどうやらもっと絞り込んでいるようで、一説ではF13くらいではないかとも言われています。前述の通り材質はプラスチック製とガラス製の2種類が存在していますが、どうやらガラス製のほうが描写力は幾分良いようです。

裏蓋を外すとフィルム格納室と、その奥にシャッターユニットの構造の一部が見えます。動作そのものに電源を必要としない機械式シャッターですが、仕様としては公称1/100秒固定でこれ以外のシャッタースピードはありませんので、おそらく薄暗い室内や夜間の撮影はできないと考えていいでしょう。

但し、ボディ下部にシャッターモード切り替えレバーがあり、通常撮影時は「N」側に合わせますが「B」側にセットするとバルブ撮影ができるようになりますので、上手く使えば暗いシーンでの撮影もいけるかもしれません。

フィルムサイズマスクを取り換えることで、6×6判か6×4.5判のどちらかの撮影サイズを選ぶことが出来ますが、今回入手した個体には6×6判用のマスクしか付属していなかったのでこれをそのまま使うことになります。ちなみにマスクを外すと内部にフラッシュ用の単三電池格納室がありますが、今回入手した個体は電池を入れてもフラッシュが点灯しませんでした。ジャンク品なので仕方がありません。そのうち気が向いたら更に分解して導線チェックしてみようと思います。

4色カラーフラッシュはボディ上部のダイヤルを回すことで無色→赤→オレンジ→青それぞれに変更することが出来ます(写真はオレンジの状態です)。フラッシュのガイドナンバーは12と光量は小さいですが、あえてローファイな写りを狙うなら使ってみてもいいでしょう。

HOLGA120の使いかた

では実際にフィルムを入れてみましょう。

ボディ左側に新しいフィルムを格納し、右側に向かってフィルムを延ばしてあらかじめ用意しておいた空スプールに巻き付けていきます。フィルムの巻き上げはボディ右上のダイヤルを矢印の方向に回すことで行います。尚このカメラに限らず、120フィルムを使用する場合には空スプールが必ず別途1本必要となることはお約束事ですので、忘れないようにしましょう。

フィルムの巻き上げ確認はいわゆる赤窓式といわれるもので行います。このカメラのフィルム巻き上げダイヤルは自動で止まることはなく、黙って回していると最後まで巻き上げ終えてしまいますので、フィルムをどこまで巻き上げたかは、ボディ裏蓋の赤窓を見て、ここに巻き上げた分の数字が出現するのを目で確認するのです。一枚撮影する毎に、次の数字が出現するまでダイヤルを回すことでフィルムを消費していきます。

これはもともと古い二眼カメラで採用されていた方式で、赤色はフィルム感光しにくいことから採用されたものですが、厳密にはこれでも不要な光を拾ってしまうことがあるので、撮影時はこの赤窓をビニールテープか何かで塞いでおいたほうがいいと思われます。

赤窓のレバーは6×6サイズで撮影する場合は「12」側に、6×4.5サイズで撮影する場合は「16」側に合わせます。今回は6×6サイズでの撮影になりますので「12」側に合わせています。写真の状態は撮影可能枚数12枚のうち現在3枚目の撮影だよという意味ですね。

それと、写真の位置にひっそりと絞り調整レバーがあり、お日様マークと曇り空マーク(多分)に切り替えることが出来ます。本来これをスライドさせることによってレンズ内部で絞り調整用レバーが稼働し、光の透過する量を調整できる機能・・・のはずなのですが、この内部レバーに空いている穴の大きさが同じなので、実際にはどちらにセットしても絞り値は変わりません。

それなのになぜこの機能が付いているのかは意味不明なのですが、この構造を利用して2段階の絞り値を得られるように改造することはできるかもしれません。未確認情報ですが近年生産されている個体ではこれが改良されきちんと絞り値を変えられるようになっているとの噂もあります。

ピントはレンズ部にあるピントリングを回して行います。目測なので目安ですがピントリングに示されている人物ひとりマークで距離約1メートル、山マークで約10メートル以上(無限遠)とのこと。実際のところ広角レンズでF13相当まで絞り込まれたカメラですから、適当に合わせても被写界深度が深いためそれなりに撮れてしまうのではないかと思われます。

写真の矢印の位置にあるのがシャッターボタン(レバー)です。通常のカメラのシャッターボタンとは位置が違うので一見操作し難そうですが、実際にカメラを構えてみるとちょうど右手の人差し指が掛かる位置なので意外に押しやすいように感じました。

私は写真はきちんと狙って撮りたい派なので、こういうルーズなカメラはどちらかといえば苦手だし積極的に導入しようと思いませんので、ジャンクで見つけなければおそらく手に取ることもなかったでしょうが、調べているうちにだんだん興味が沸いてきました。果たしてどれだけのローファイな写真が撮れるでしょうか。実写レポートは近日中に投下しましょう。

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