ローライコード最終形Vbの試し撮り
導入した二眼レフ「ローライコードVb」をフィールドへ持ち込み試し撮りをしてみましょう。ロケーションは東京は新宿の新宿御苑。ここなら二眼レフを持ってうろうろしていても平気です。さすがに街中で二眼レフ首にぶら下げていたら目立っちゃいそうじゃないですか。
フィルムは確かもう生産完了となったフジフィルムのフジカラーPRO 120 NS。今市場に出回っている品が最終ロットのはずで、メーカーは後継製品の生産をアナウンスしていませんので貴重なフィルムとなります。富士フィルムは銀塩フィルム製品からは撤退するつもりでしょうか。
初ショットがこちら、昭和2年(1927)に建てられた旧大木戸門衛所です。結構絞って撮ったと思いますが、銀塩なのにきっちり精細に描写できていてさすがはラージフォーマット。
以前リコーフレックスで撮影した時も思ったのですが、二眼レフ(というか120フィルムかな)で撮った空の描写って少し絵画のような独特な雰囲気のように感じます。特にデジタルで撮るとこういう感じには撮れないですよね。
このカメラ、最短撮影距離は約90cmと全然寄れないですが、ほぼほぼ最短まで寄ってみました。そうすると当然ですが背景はご覧のとおり大きくボケてくれます。すごくキレイなボケかたではないですが、結構いい線いってるのではないでしょうか。前ボケはなんかいい感じです。
背景がほどほどにボケて緑がまるで絵画のようです。それでいて被写体の大木はきちんと解像されているので、対比が面白いですね。
絞り値忘れましたけど、ピントを合わせた奥の方の木の葉はかっちりピントが来ています。手前の地面側はボケているのでF5.6くらいだったかもしれません。だんだんわかってきましたけど、6×6判で撮ると、35mmで撮るよりも被写界深度が浅くなるんですよね、デジタルでもAPS-Cよりフルサイズのほうがそうであるように。パンフォーカスを狙うならがっつり絞ったほうがよさそうです。
とはいえせっかくなら浅い被写界深度で、被写体と背景の遠近感というか、距離感を演出するほうが面白そうです。こちらも多分F5.6くらいで撮っていますが、中央のベンチにピントを合わせて、手前の地面も背景の木々もゆるーくボケているのがいい感じです。こういう写真は是非できるだけ大きなモニターでご覧になっていただきたいです。
こちらも手前の人にピントを合わせて、背景はちゃんとボケていますので距離感がよく表現できていると思います。
今回はローライコードVbの試し撮りですが、搭載されているクセナー75mmF3.5は適度なオールド感を得られる良いレンズに思いました。この時代のカメラらしくシャッタースピードが最高値1/500なので、晴天下の撮影では結構絞らなければならないという縛りはありますが、ラージフォーマットなので工夫すればそれなりにボケも得られていろいろなショットが撮れると思います。
こうなると本家であるローライフレックスがどうしても気になってしまいますが、しばらくはローライコードで撮影を楽しむことにしましょう。
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