Nikon F3で非AIニッコールレンズを使おうとした際には、いくつかの注意点があります。具体的にどのような手順で使ったらいいのか詳しく見ていきましょう。今回サンプルとして使うのはNIKKOR 50mmF2(ニューニッコール)です。
非AIレンズ装着ピンを立ち上げる
まずレンズの装着ですが、そのままではレンズの装着が出来ませんので、矢印の連動レバー解除ボタンを押しながら、露出計連動レバーを上方へ跳ね上げます。
これでレンズが装着できるようになりました。
撮影モードをマニュアルに変更
AIレンズと違って、非AIレンズではレンズの情報をカメラ側に伝達することができませんので、測光は絞込み測光にて行うことになります。まず、カメラの撮影モードをマニュアルモードに変更しましょう。F3の撮影モードは、シャッタースピードダイヤルをA(オート)に設定すると絞り優先モードになりますが、シャッタースピードをA(オート)以外の値に変更することでマニュアルモードとなります。
このときファインダーを覗くと、ファインダー内左上の表示窓にマニュアルモードを意味する「M」の表示と、設定中のシャッタースピードの数値が表示されます。上記の写真の場合はシャッタースピードが1/60であること、また「M」の表示の上に「+」表示がありますが、これだと露出オーバー(明るすぎ)であることを表し、逆に露出アンダー(暗すぎ)だと「ー」表示となります。ちなみにこの表示窓の右側、写真中央上部の窓には、AIレンズを使っていればF値が表示されますが、非AIレンズの場合はご覧のとおり何も表示されません。
絞り込み測光にて露出とシャッタースピードを決める
絞込み測光のやり方は以下の通り。
- レンズ側の絞りリングで絞り値を決める
- 絞込みボタンを押す
- ②の絞込みボタンを押したまま、③シャッタースピードダイヤルを回す
特に手順③、「絞込みボタンを押したままシャッタースピードダイヤルを回す」は、絞込みボタンが硬いのでなかなかやり辛いですが、がんばってコツを掴みましょう。
適正露出が得られる設定値になると、ファインダー内左上の表示窓の露出表示が写真のように「-+」表示となりますので、②の絞込みボタンを離し、ピントを合わせてシャッターを切りましょう。このとき当然ですが、適正露出値だからといってもシャッタースピードが著しく低下(手持ちだと1/15以下くらい)していたら手振れの可能性が高くなってしまいますので、そのあたりには注意が必要です。
尚、今回はニコンでは一般的な自動絞りのレンズ(ピントを合わせる際などファインダー使用時は絞りを開放し、実際の撮影時のみ絞りを絞る機構のレンズ)について説明していますので、一部自動絞りでない等の特殊なレンズについては手順が違う場合があるかもしれません。
圧倒的にAIレンズを使って絞り優先モードで撮影したほうがラクだし正確で速いと思うので、積極的に非AIレンズの使用をおすすめはしませんが、覚えておくといざという時に役立つかもしれません。
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