MENU
フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

NIKKOR 非AIレンズ対応状況について調べてみた件

当ページのリンクには広告が含まれています。

Nikonのオールドレンズを手にする際に気を付けなければならないのが、同じFマウントであっても、使用するボディとの組み合わせで装着できない、または装着はできるけど機能に制限が生じるものが存在するということです。手持ちのニコンレンズとボディを引っ張り出して、どのようになっているのか確かめてみます。

目次

AIレンズと非AIレンズの見分けかた

Nikonのマニュアルフォーカスレンズにはいくつか種類があって、簡単に説明すると大きく4時代あり、測光方式が刷新されるに伴って「オートニッコール」「ニューニッコール」「AIニッコール」「AI-Sニッコール」と進化してきました。この中で更に大分すると、前2時代が「非AIレンズ」で、後2時代が「AIレンズ」となり、今となっては時代の新しいほうが汎用性が高く対応状況も良くなっています。

手元にある2本のNikkorレンズを並べてみますと、まあ50mmと28mmの焦点距離の違いはさておき、デザイン的にとても似ているレンズたちですが、左が非AIレンズ、右がAIレンズです。

ざっくりどこで見分けを付けるかというと、絞り表示がレンズ本体の中段・下段に2列表示されているほうがAIレンズとなります。また、Nikonレンズ独自のボディとの連動機構「カニの爪」内部に、穴が開いているのは一般的にAIレンズですが、これは付け替えてしまうこともできそうなので必ずしもではありません。AIレンズについては殆どのボディで問題なく使用できるのですが、問題になってくるのが非AIレンズです。

非AIレンズが使えそうな機種はどれ?

Nikomat FTNの場合

Nikomat FTNは1968年発売のNikonの大衆機。当時のNikonはプロ向けのラインナップを主軸としており、Nikonブランドを大衆向けに使用することを良しとせず、大衆向けにはセカンドブランドとしてNikomat銘でモデル展開をしていました。とはいえFTNは当時最新技術であったTTL露出測光機能を内蔵し、いわゆる「ニコンのガチャガチャ」機構により開放測光による露出測光を実現していました。

カメラ、レンズ共にまだAIレンズが出現する前の同じ世代のもの同士であり、使用には何の問題もありません。写真のようにカメラのポッチにレンズの爪を引っ掛けるようにしてレンズを装着することで、開放測光で使用できます。もともとFTNは完全機械式カメラなので、シャッターの制御に一切の電子制御を行っておらず、露出測光にしても露出計を動かす電池以外はすべて機械で動いているということが、今にしてみれば驚愕の技術ですね。

ちなみにFTNはAIレンズもなんら問題なく開放測光で使用することが出来ます。オートフォーカスになったDタイプレンズ以降はカニの爪がないのでそのままでは使用できませんが、カニの爪を改造によって付加した場合は使用できるかもしれません。

F2 Photomic Aの場合

Nikon F2は世界を席巻したFの後継機として1971年に発売。ファインダーに多くのバリエーションがありますが、私が所有しているのはフォトミックファインダーDP-11を装着したフォトミックAというモデルで、AI方式に対応するモデルです。

このモデルはAIレンズを使用することが前提となっていますが、連動爪を収納してしまうことで非AIレンズも装着可能となります。

矢印の部分を手で上方向に押し込んでしまいましょう。

すると爪がファインダーユニットに収納されます。ちなみに、ファインダーユニットのAの文字の上部のボタンをスライドさせれば元に戻ります。

これで非AIレンズの装着ができますが、この場合ボディ本体にはレンズ側の情報が伝わらないので、絞込み測光にて使うことになります。このとき測光時に絞込みボタンを押しながら測光をしなければならないのが結構煩わしいのですが、シャッターを押す瞬間には絞込みボタンを押したままでなくても設定した絞り値まで絞ってシャッターが切れます。

F3の場合

Nikon F3は1980年から2000年まで20年間にわたって生産されたフィルムニコンの大ベストセラー機です。NikonF一桁機であるフラッグシップ機だけあって、非AIレンズへの対応手段が残されています。

マウント右上部にAI連動爪が用意されています。

この連動爪のロックボタンがありますので、このロックボタンを押しながらAI連動爪を跳ね上げます。

これで非AIレンズの装着ができます。しかしながらレンズの情報はボディ側には何ら連携されませんので、測光は絞込み測光となります。F2とは違ってF3は電子カメラなので、絞り優先オートで使っている方が多いのではないかと思われますが、マニュアルモードへ変更後、絞込み測光を行って適正露出値とシャッタースピードを決めていくことになります。もともとマニュアルカメラであるF2に比べると、便利さの落差は大きいでしょう。

F3で非AIレンズを使う詳しい方法については、別記事を立てましたのでこちらもご参照ください。

あわせて読みたい
Nikon F3で非AIレンズを使う方法まとめ Nikon F3で非AIニッコールレンズを使おうとした際には、いくつかの注意点があります。具体的にどのような手順で使ったらいいのか詳しく見ていきましょう。今回サンプル...

F4の場合

1988年発売のNikon初のオートフォーカスフラッグシップ機、F4です。オートフォーカス対応機ですがマニュアルフォーカス補助機能が優秀で、MFレンズを装着しても使いやすい隠れた名機と思います。

非AIレンズに関してはF3同様、AI連動爪の跳ね上げで対応しています。

連動爪のロックボタンを押しながらAI連動爪を跳ね上げると、非AIレンズを装着できます。

使用条件は基本的に前述したF3と同等で、絞込み測光のみ対応しますが使いやすくはないです。

非AIレンズ対応状況一覧表

スクロールできます
Nikomat FTN F2 Photomic AF3F4
装着可否
装着条件条件なしAI連動爪跳ね上げAI連動爪跳ね上げAI連動爪跳ね上げ
測光方式開放測光絞込み測光絞込み測光絞込み測光
撮影モードマニュアルマニュアルマニュアルマニュアル
使用感微妙微妙

実際に装着して弄ってみたところでは、F2までなら実用に耐えられますが、F3以降は元の運用との落差が大きいので撮影にストレスを感じる方は多いでしょう。また、F5以降のボディではボディ側のAI連動爪が固定式になっているため、ボディの改造をしなければ非AIレンズの装着自体できないようです。

いろいろ制限のある非AIレンズなので、F2までのボディでしか使わないことが確実とか、激安とかの場合を除いては今からわざわざ入手するメリットは少ないかもしれません。それでも1本は手に取って経験しておきたいという(私のような)カメラバカさんは止めても無駄でしょうから、一緒に研究しましょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次