
山と線路と待合室。五能線の無人駅「東八森駅」
東八森駅(ひがしはちもりえき)は、秋田県山本郡八峰町にあるJR東日本五能線の駅のひとつ。43駅ある五能線の駅の中でも開業初期から存在した歴史ある駅で、開業当時は旧八森町の中心地であったため「八森駅」を名乗っていましたが、1959年(昭和34年)に八森町役場の移転に伴い隣の椿駅が八森駅に改称され、こちらは「東八森駅」となりました。

五能線の他の駅がそうであるように、1990年代になり東八森駅も無人駅となり現在に至ります。この日の訪問は夕方の6時近く、日本海に沈みかけた夕日に照らされて駅舎がオレンジ色に染まりました。前回ご紹介した轟駅ほどの秘境駅ではなく周辺には小規模ながら町もあるのですが、八峰町の山岳を背にして夕日に照らされる姿はそれなりに郷愁を誘います。


駅舎内にある小さな待合室はカプセルの中のようで、ちょっと核シェルターっぽくもあります。デザインとしては近未来的かもしれませんが、老朽化しているのでレトロフーチャーといった様相でしょうか。

ホームは単式1面1線構造で、なぜか舗装もされていません。ここから見えるのは線路と八峰町の山岳だけです。

と思っていましたら、遠くから何かが近付いてきました。なんと1日数本しか通らない列車の通過時刻にちょうど遭遇したようです。列車の運行時間とか何も調べないで訪問したのにラッキーでした。

通過したのは3種類あるリゾートしらかみ号のうちの「橅(ぶな)」と呼ばれるグリーンのタイプ。通常の在来線とは違って東八森駅には停車しない列車でしたが、姿だけは至近距離からばっちり撮影することができました。見た感じ、電車内はガラガラでしたが。

なんだかんだ30分程度は滞在していたと思うのですが、この間ついに誰もこの駅に訪れる人はいませんでした。まあ五能線は1日4~5本しか運行しないので、ここに停車する列車の時刻に合わせて訪問すれば、乗り降りする人もいるのではないでしょうか。ここを撮影スポットと言っていいのかどうかは微妙なところですが、無人駅って独特の寂れ感があってちょっと面白いと思いませんか。機会があれば他の無人駅も探索してみたいですね。
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