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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

OLYMPUS XA2 ◆レビュー実写編◆

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目次

大ヒットカプセルカメラ、OLYMPUS XA2とは

OLYMPUS XA2は1980年発売された「カプセルカメラ」XAシリーズの2号機。1979年、バリアー式のレンズカバーを採用することでケースもレンズキャップも必要ないという世界初のカプセル型カメラXAの登場に続き、より初心者向けに機能を簡素化したのが本機XA2である。

掌に収まるほどの小ささを実現したばかりか、意外にもレンジファインダーを搭載し絞り優先撮影ができた初代XAの、ある意味カメラとしてのこだわりを惜しげもなくばっさりと捨て、ピントは3点ゾーンフォーカス式に、撮影モードはプログラムAEオートのみに絞り、被写体までの距離を選んでシャッターを押すだけの簡易なカメラとなった。逆光時に便利な+1.5EVの露出補正機能もなくなってしまっている。

だがそのぶん値段も安くなり、シリーズ中最も売れた機種となった。ボディカラーは4色が用意され、カメラとしてはじめて通産省グッドデザイン大賞を受賞するなど、マニア向けというよりも広く一般層に認知されるモデルである。現在も中古でよく見かけるのはこのXA2が圧倒的に多い。

レンズはズイコー35mmF3.5と、初代の35mmF2.8よりもコストダウンが図られ1段暗いものとなった。但し、初代XAで採用された35mmF2.8のレンズはお世辞にも写りが良いとは言い難いものであった為、レンズの変更により写りにどれほどの差が生まれるのかは興味深いところ。過去記事に初代XAの試用レポートがあるので、興味のある方はそちらも参照願いたい。

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それでは早速実写レポートをお届けしよう。使用したフィルムは現在絶版となってしまったフジのC200。フィルム現像後Nikon Z6にてフィルムデュープしデジタイズ後、PhotoshopとLightroomにて調整を行っている。

実写レポート:ほぼシャッターを押すだけのお気楽カメラ

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

だいたいわかっていたことだが、このカメラはプログラムAE機ということで絞りもシャッタースピードも一切コントロールができず、しかもレンズは開放F3.5ということで、出てくる絵はほぼほぼパンフォーカスである。

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

唯一、ピントだけは3点から選ぶことが出来るが、本機のゾーンフォーカス3点でピントが合う距離は0.9-1.8m / 1.2m-∞ / 6.3m-∞とのことで、要するに被写界深度で見かけ上ピントが合っている風に見せているだけなので、事実上撮影者の意図が反映されるところは殆どないと言っていい。無理に近くにピントを合わせて背景をぼかそうなどと思うと、どこにもピントが合っていない残念な写真となってしまう確率が高い。(数枚これをやってしまいました・・・)

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

ただ、このカメラはスライドバリアーを開閉した際に自動的にゾーンフォーカスが中距離に戻る仕様となっており、最悪ピントを合わせるのを忘れていたとしても、そこそこみられる程度にピントの合った写真が撮れている場合が多い。

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

写りとしてはこの手のオートコンパクトカメラとしては平均的なレベルで、普通に良く撮れていると思う。

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

初代XAのレンズはキレがいいわけでもなく、色乗りもイマイチであまりいい印象がないのだが、コストダウンをしているはずの本機XA2のほうが全体的にちゃんと写っているようだ。F値を欲張らなかったのが逆によかったのかもしれない。

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

しかしながら、あまりに普通に写り過ぎていて面白みはない。初代XAの写りは確かに前述の通り決して褒められたものではなかったが、ある意味この時代のズイコーレンズの悪いところを体現したような感があり、この頃のOLYMPUSらしくもあるのだが、XA2はズイコーの名を付けておきながら、全くズイコーらしくもなく良い写りをしている。どちらがズイコーっぽいかと言われれば、むしろXAのほうがイメージに近いのだ。

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

何と言ったらいいか、プログラムAEオートでほとんど撮影者の意図が反映されないカメラでこんなに普通に写ってしまうと、このカメラをわざわざ使う理由が見い出し難いというのが正直なところ。今回試し撮りでフィルム1本を使用したが、次回このカメラを持ち出すチャンスがあるかどうかは微妙なところである。

OLYMPUS XA2 FUJIFILM C200 (dupe by Nikon Z6)

まとめ:普通によく写るがオートの割り切りは必要か

OLYMPUS XA2はコンパクトな筐体で、お気軽に持ち出せるフィルムカメラとして非常によくできており、撮影に当たって難しいところはないので特に初心者にフィットするパッケージだ。写りのほうも一定のレベルをクリアしており、万人にお勧めできるだろう。ただ、写りがいいと言っても撮れる写真は所謂パンフォーカスとなり、写真で何かを表現したいなどの意図を反映させるのは容易ではないことから、カメラに詳しい人ほどすぐに物足りなく思えてくるかもしれない。そこを割り切れるかどうかで評価は違ったものになりそうだ。

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