Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/400 ISO100
CONTAX Gシリーズで超広角を楽しめる1本
導入したCONTAX Gシリーズ超広角、ビオゴン21mmF2.8の実写レポートをお届けしよう。Gシリーズには今や伝説級レンズであるホロゴン16mmも存在するが、超広角としてはもっとカジュアルな立ち位置にある本レンズの写りを早速試してみたい。
今回は愛用のミラーレス、Nikon Z6に装着して試し撮りを行っているため撮影ショットはデジタルだが、もともとこのビオゴンはフィルムカメラ用のレンズなので記事のカテゴリーはフィルムカメラとさせてもらっている。絞り値はexifに残らない為確かではないが、多くのショットでF5.6~F8あたりまで絞り込んでいることを前提にご覧いただきたい。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/160 ISO100
今回のロケーションは東京は竹芝付近。新橋駅からゆりかもめで2駅目という好立地の竹芝エリアは、現在街ぐるみで再開発が進んでおり、東京・港区の中で最も変化が進むエリアといえる。まずは竹芝ふ頭公園のシンボルともいえる船の帆を思わせるオブジェを撮影してみよう。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/800 ISO100
竹芝ふ頭公園には伊豆諸島、小笠原諸島の島々を結ぶ定期船が多く発着するが、この時は眼下を遮るものなく向う岸が見えるだけだった。こちらのショットでおわかりのように、このレンズは周辺減光がそこそこ現れる。ただ強い出方ではないので気になる場合は編集してしまえばよいと思う。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/250 ISO100
少し場所を移動して、2020年に開業したウォーターズ竹芝へ。ここはレストランやカフェ、オフィスなどが入る地上26階建ての「タワー棟」、エンターテイメント施設や劇団四季が入る「シアター棟」、ラグジュアリーホテル「メズム東京オートグラフ コレクション」などから構成された複合大型商業エリアだ。こうした大型施設を無理なく撮影するには超広角レンズが必携であろう。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/250 ISO100
浜離宮恩賜庭園を目の前に、ウォーターフロントの立地を活かした芝生広場や船着場を探索。漫画家の松本零士氏がデザインを手がけた水上観光船エメラルダス号を間近で撮影した。背景の海辺の広大さが強調され、迫力ある構図が実現できている。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/250 ISO100
水門横にあるのはおそらく船の入出港時に水量を調整かなにかのための施設と思われるが、巨大なダンゴムシに見えたので撮影しておいた。見上げるような構図と超広角が相まってこちらもダイナミックに。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/50 ISO180
ホテル「メズム東京オートグラフ コレクション」のロビーを撮影した。建物内部を撮影する際、より広い範囲をワンショットに納めることが出来る超広角レンズは非常に便利だ。画角が広くなればなるほど周辺の湾曲が気になるところだが、構図によるパースペクティブはあっても直線の歪みは感じられないのが素晴らしい。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/50 ISO110
20年以上前の超広角レンズにつき、周辺部描写の画像の流れや色収差がないわけではないのだが、同じくCONTAX Gシリーズの広角レンズであるビオゴン28mmF2.8よりもむしろ少ないし、通常主題が周辺部に配置されることはないので私的にはあまり気にならないレベルと思う。
Nikon Z6 CONTAX(G)Biogon2.8/21mm 1/160 ISO100
通常は料理などのテーブルフォトには余計な背景が写り込んでしまうため広角は向かないが、ロケーション込みで撮りたい場合には意外に便利なことも。窓の外の庭園やビル群をワンショットに納めることで、どんな場所で用意された食事なのかをこの一枚の写真だけで語ることができた。
Gビオゴン21mmF2.8は今どきのカリカリな広角ではなく、シャープでありながらどこか優しい雰囲気の描写に感じられる。傾向としては同じくGシリーズのビオゴン28mmF2.8のそれにも似た印象を受けた。ミラーレス黎明期には使用するカメラによっては周辺減光とマゼンタ被りが顕著でなかなか実用機としては使い辛いレンズであったようだが、現在はZ6をはじめ多くのミラーレス機で問題なく使うことが出来るようになっている。コンパクトな超広角レンズが必要な際の選択肢の一つとして覚えておいて損はないはずだ。
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