Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/125秒 ISO100
オールドライカを代表する標準レンズ、エルマー
導入したオールドライカ標準レンズ、エルマー50mmF3.5の試し撮りをしてみよう。およそ80年近く前のレンズの描写とはどのようなものだろうか。
今回は愛用のミラーレス、Nikon Z6に装着して試し撮りを行っているため撮影ショットはデジタルだが、主役のエルマーが銀塩時代のレンズなので記事のカテゴリーはフィルムカメラとさせてもらった。エルマーは絞りのコントロールにレンズ前面の小さなレバーを回す必要があり、これがなかなか煩わしいこともあって、ほとんどのショットをF5.6固定にて撮影しているが、冒頭のショットはF5.6ながら木々の陰影や木漏れ日の複雑なディテールまできっちり解像されている。このショットだけでも、単なる懐古主義だけのオールドレンズではないことがわかるというもの。
作例と使用感など
Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/800秒 ISO100
全長100メートルを超える牛久大仏を撮影。こうした巨大建造物は広角レンズで撮影するとパース(パースペクティブ:遠近感による線の傾き)が付いてしまうが、50mmならほぼほぼフラットに捕らえることが出来る。手前の花のボケ具合も相まって、望遠レンズで撮影したような雰囲気の絵となった。
Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/500秒 ISO100
F5.6のままで風景撮影をして、奥側にピントが合ってしまい、花にピントが来なかったショット。もともと明るいレンズではないので被写界深度は深いつもりで扱っていたが、ちゃんとコントロールしないとパンフォーカスでもないし狙ったボケでもないという中途半端なショットになってしまうという反省の一枚。
Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/800秒 ISO100
ロケーションを変えて、アウトレットパークのエントランス付近を撮影。こちらもあえてF値を絞っていないが、このショットでは被写界深度があまり気にならない。
Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/250秒 ISO100
このショットのみF3.5開放で「青菜」の看板にピントを合わせたつもりだったが、全体的にピントの甘い絵となってしまったようだ。どのみち大きくボケるレンズではないので、へんに背景ボケを狙うより、絞ってパンフォーカスにするほうが無難かもしれない。
Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/60秒 ISO100
似たような構図でもこちらは少し絞って撮影したもの。
Nikon Z6 LEICA ELMAR L35mm F3.5 1/60秒 ISO100
最後に愛猫のエイトを撮影。逆光気味で露出補正をした影響で少しハイキー気味のショットとなったが、写りそのものは十分に精細で好ましい。製造から80年近くが経過しているこのレンズ、個体により状態はまちまちであることから、すべてのエルマーがこのような写りをするかは正直わからないが、一定の状態を保っている個体であれば現代のレンズにも全くひけを取らない確かな描写が期待できるだろう。興味のある方は信頼できるショップで、できるだけ実際に現物を目で見て確認したうえで導入することを強くお勧めする。
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