久しぶりにNEX-5用にマウントアダプターを購入した。今回目をつけたのはライカMマウント。以前購入したコンタックスGマウントアダプター同様レンジファインダー規格のマウントで、フランジバックが短いのでNEXで使うにはサイズがぴったりなのだ。
Mマウントは数あるマウントの中でも本命ともいえる超メジャーマウントであるため、購入するにあたっても「選べる」状況にある。評価が高いのはやはり日本製のものだが、中国製だとずっと安く購入できる。当然値段の差は品質の差であるはずだが、しかし懐事情を考慮すればレンズを取り付けるためだけのアダプターにそうそう大枚を叩けない。今回私が購入したのはネットショップ八仙堂で取り扱っているアダプターで、3,500円の品だ。
この手のアダプターとしては極めて安価だが、以前OMアダプターもここで購入し何ら問題なかったためこのショップは信頼していた。今回も到着した商品をまじまじと観察したが、隙間やがたつきもなく機能的な部分で特に瑕疵はないようである。ただ、日本製の2万円もする高価なものと比べてしまえば、見た目はあっさりとしていて高級感とかはない。
さて、本来ライカMマウントなのだからライカのレンズを使いたいところではあるが、ちょっと気軽に購入できる値段でもないことから、今回はフォクトレンダーを試してみることにした。購入したのはCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5PⅡ。フォクトレンダーVMシリーズの中でも最も小さく、価格も比較的リーズナブルなモデルだ。画角35mmはNEXで使うと換算52mmだから、ほぼ標準レンズ感覚で使えそうだし、F値も2.5とそこそこ明るい。
ただのダンボール箱なのに色とデザインでなんとなく高級ぽい演出。ロゴが目を引く。
全長23mmという小ささ。NEXに取り付けるとマウントアダプターぶんだけ厚くなってしまうのが残念。
なんといっても目を引くのはこのフォルム。最近のデジタル仕様レンズとは一線を画したレトロな、それでいてメカニカルなフォクトレンダーならではの独特のデザインである。レンジファインダー用のレンズはこうしたクラッシックなデザインのものが多く、デジタル全盛の今となっては逆に新鮮だ。早速NEX-5取り付けてみたが、NEXの近未来的なボディに意外にもよく似合う。
見た目がかっこいいだけでなく、絞りリングとピントリングに付いたレバーのおかげで操作性は悪くない。マニュアルフォーカスは面倒といえば面倒ではあるが、NEXのピーキング機能を使えばピントの山も掴みやすいので思った以上にきびきびと撮影することができた。
さて肝心の写りのほうはどうだろうか。試し撮りしたショットの中から何枚か載せておこう。
SONY NEX-5 COLOR-SKOPAR 35mm F2.5PⅡ 1/30秒 ISO250
絞り開放付近の室内ショット。色乗りも良く、背景のボケも自然で美しい。その場のライティングの雰囲気通りの温かみのある絵が撮れた。やはり室内撮りのときはF2.5くらいの明るさは欲しい。
SONY NEX-5 COLOR-SKOPAR 35mm F2.5PⅡ 1/80秒 ISO200
晴れた屋外。少し絞るとご覧のとおり、ほどよくシャープで描写は細かい。写真としてはもう少し背景をボケさせてもよかった。
SONY NEX-5 COLOR-SKOPAR 35mm F2.5PⅡ 1/800秒 ISO200
もっと絞って遠景撮り。レンジファインダー用広角レンズをNEX-5で使うと、特に空を撮るような場合に周辺がうっすらマゼンタ被りを起こすことがあるが、このレンズもまたしかり。RAWで撮って後で修正すれば目立たなくさせることは出来そうだが、唯一残念な点だ。しかしこの解像度の高さは素晴らしい。青信号の光が点で出来ているのがはっきりと再現されている。
フォクトレンダーは初めて使ったが、とにかく描写が細かくボケが素直でかなり気に入っている。しかもレンズ自体もかっこいい。またまたレンズ沼にはまってしまいそうで恐ろしい。
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