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フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

Nikon NIKKOR Z 24-70mm F4 S ◆レビュー◆

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/800 F8 ISO100

■Zマウントネイティブ標準ズーム第一弾■

Nikonのミラーレス「Z」シリーズのローンチと同時にリリースされた1本、F4通しの標準ズームレンズNIKKOR Z 24-70mm F4 Sのレポートをお届けしよう。まだまだZマウントレンズは数少ない為、おそらく多くのユーザーはマウントアダプターFTZ経由でFマウントレンズを主に使っているのではないかと推測するが、現状Zマウントレンズを買うべきかどうか迷っている方も少なくないだろう。

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NIKKOR Z 24-70mm F4 Sの外観はZ6/Z7のコンパクトさをスポイルしないサイズ感にまとめられており、FマウントのGタイプレンズとは全く異なったシンプルなデザインだ。Gレンズでは銅鏡に刻印されていた「N(ナノクリスタルコート)」「ED(非球面EDレンズ採用)」「VR(手振れ補正機能)」などのロゴは一切採用されておらず、新たにS-Lineシリーズの証である「NIKKOR S」のロゴが付くのみとなっている。この為、入手してしばらくはナノクリスタルコート仕様のレンズとは気付かなかった。デザインに関しては人によって評価が分かれるだろうが、個人的にはもうひとつ高級感が欲しかった。

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クラスは違うが、Fマウント標準ズームAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRと並べてみると全長はほぼ同じだが銅鏡まわりが幾分細くすっきりした印象を受ける。おそらく手振れ補正機能VRを内蔵する必要がなくなったために小型化に成功したものと思われるが、実はレンズ径は共に72mmで同等であり、圧倒的に小さくなったわけではない。それでもF4通しであることを考えるとこれでも十分コンパクトには違いない。

肝心の写りの方はどうだろうか。早速サンプルショットを投下してみよう。

■あると安心の標準ズーム。必携かどうかは一考の余地あり■

冒頭のショットは秋の海を広角端でただ普通に撮ったもの。F8まで絞っており、隅々まで破綻のない画質だ。若干右サイドからの太陽光が軽く逆光気味であったが、ナノクリスタルコーティングのおかげかフレアやゴーストは発生しなかった。

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/500 F4 ISO100

ところ変わって都内の寺院。広角端とはいえF値開放で撮ったので、手前のススキはもっとボケることを期待していたが、これなら絞り込んでパンフォーカスにしてもよかった。もちろん距離や構図にもよるだろうが、ボケを表現したいなら望遠側で撮るとか工夫が必要なようだ。とはいえ画質自体は開放から十分にシャープで不満のない写りである。

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/80 F4 ISO360

やや望遠側の60mm付近。こちらも細かいところまで実によく写っている。

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/100 F8 ISO100

こちらは日暮里付近の富士見坂。かつてはこの坂から富士山が見えていたが、高層ビルの濫立の為今ではその姿を見ることは出来なくなっている。都内には実はこうした場所がいくつかあるようで、地名となるほどの名所であっただろう土地の歴史をも顧みない不動産建築業者の無粋さには残念としか言いようがない。富士山をモチーフとした街灯がなんとも寂しげである。F8まで絞っており、パンフォーカスのショットとしては文句のない画質だ。

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/80 F4 ISO160

F値開放で望遠端70mmで何とか前ボケをつくってみた。ボケを楽しむレンズではないようだが、工夫すればこういったショットが撮れる。とはいえボケ方は控えめか。

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/200 F4 ISO100

電柱を手前に大きくぼかしてモノクロームにてレトロ感を演出した。

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Nikon Z6 NIKKOR Z 24-70mm f/4S 1/80 F4 ISO1400

最後に愛猫のトラの昼寝の様子を。ケージの中で横たわる猫を望遠端70mmでF値開放でできるだけ被写体以外がボケるように、猫の生態を覗き見るかのような雰囲気を演出してみた。このレンズ、実は最短撮影距離がズーム全域で0.3mとかなり短いので、テーブルフォトなどにも対応できそうだ。

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本レンズはF4通しでありながらコンパクト、開放からシャープで破綻のない写りであり、Zシリーズのお披露目レンズに相応しい1本といえる。標準ズームレンズは抑えで1本持っておけば多くのシーンに対応できるので安心ということもあり、持っていて決して損はない。

しかしながら優等生過ぎて、このレンズならではの特徴があるかと言われると面白みに欠けることも否めない。何もこのレンズだけに限った話ではないが、そのうち必ずもっと様々な画角や、大口径レンズにシフトしていくのが目に見えている。使用頻度もおそらく徐々に減っていくだろう。それならば、ここで標準ズームを新調しなくても、同じ予算で最初からもっと別のZマウントレンズを選んでおくというのもアリだろう。

Zマウントでは高級路線の「S-Line」シリーズ以外のレンズが未だ1本もアナウンスされていない。シリーズが本当に普及するためにも、是非「撒き餌レンズ」も何本か登場してもらいたいところだ。

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