FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F4 1/15秒 ISO1000
超広角~準標準までカバーする便利広角ズーム
FUJINON XF10-24mmF4 R OISは35mm換算で15~36mm相当までをカバーする、フジフィルムXシリーズの超広角ズームレンズ。最近のロードマップで、更に広角のXF8‐16mmF2.8Rの近日発売がアナウンスされたが、本製品はF4通しながら手振れ補正機能OISも搭載しているなど、扱いやすさでは一日の長がありそうだ。
外観はXシリーズのズームレンズとしてはまずまず標準的なサイズに収まっており、質感も高級レンズ「レッドバッジ」シリーズほどではないがそれなりに高級感のあるもの。一般的に広角ズームレンズといえば、せいぜい16mmスタートが多いところを、15mmという圧倒的な超広角域から使えるというのは大きなアドバンテージだ。
コンパクトなXT-20と組み合わせるとレンズのほうがややオーバーサイズにも思われるが、XT一桁シリーズやXHシリーズならジャストなサイズ感だろう。尚、インナーズーム機構を採用しているので、ズームしても全体のサイズが変わらないのも扱いやすい。安価なレンズではないが、スペックからすれば値段もギリギリ許容範囲というところか。
それでは早速だがサンプルショットを投下しよう。
開放からシャープ、手振れ補正も心強い
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F8 1/450秒 ISO400
埼玉県は川越市の小江戸川越「時の鐘」を撮影。ここは道幅がさほど広くないうえ、時計台に高さがあるので28mm程度の広角レンズではなかなか全景を納めることができないが、15mmなら余裕をもって構図を決めることが出来る。F8まで絞り込んでおり、描写もシャープで申し分ない。
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F4 1/13秒 ISO3200
こちらは既出だが東京は文京区の東洋文庫ミュージアム。薄暗い室内での手持ち撮影につき、開放F4でのショット。ISOは3200まで上昇し、シャッタースピードも1/13秒まで低下している。この場合どうしても手振れが危惧されるが、この場所の撮影であきらかな手振れを起こしたショットは皆無であった。しかもF値開放とは思えない解像感も素晴らしい。
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F4 1/17秒 ISO800
またこの手のレンズにありがちな周辺部の湾曲が極めて少ないのも好印象。超広角レンズでこうした建築物を撮影した際、直線がどこまでいっても直線のままで写るのはなかなか難しいが、本レンズはこの点優秀といえる。
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F8 1/50秒 ISO800
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F8 1/15秒 ISO1000
続いて国立新美術館にロケーションを移動。実はこの日は雨天のため室内は光量が十分とはいえなかったが、F8まで絞っても手振れを起こさずに済んでいる。広角レンズに手振れ補正機能が必要なのかというそもそもの議論はあるだろうが、少なくとも室内や暗所での撮影の際には心強いことは確かだ。カタログ値では手振れ補正効果は2.5段分ということで超強力というわけではないのだが、それでも十分に効きが感じられる。
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF10-24mm F4R OIS F4 1/35秒 ISO2000
最短撮影距離が約24cmと短いためF4ながら背景のボケも演出できる。しかもご覧の通り、ボケ方が自然で好印象。広角ズームながらこうした使い方もできるのはポイントが高い。
もともと私は広角が好きで、気が付くと使ったズームレンズの最広角端でのショットが大半を占めていることも多い。24mm以下の超広角レンズは独特のバース感が人によって好き嫌いがあるだろうが、何気ないカットにダイナミック感を演出できる超広角レンズは私にとっては必携の画角だ。しかも36mmまでカバーできるとなると、人物やポートレートも1本でカバーできるので、今後は標準ズームXF18-55mmF2.8-4 R LM OIS の出番が確実に減っていきそうだ。
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