待望のSONY Eマウント用マクロレンズSEL30M35(E30mmF3.5MACRO)がついに発売された。画角30mmのマクロレンズといえばAマウントにもあったが、APS-Cで使えば45mm相当なのでほぼ標準レンズとしても使える、ある意味一台二役的なモデルである。Eマウントにはこのあたりの画角の単焦点レンズがこれまでなかったことから、本機は待ちに待った純正の単焦点標準レンズでもあるのだ。
私はNEX-5を標準ズームレンズのSEL1855で使うことも多いが、このレンズまあ決して悪くはないのだが、正直描写はいまひとつであり、そのためマウントアダプターを使ってCONTAXやズイコーレンズなんかで遊んでいる。それはそれで楽しいものの、この場合オートフォーカスが効かないので実は意外と気合が要るのである。散歩でもしながら気軽に撮影しようと思えば、やはりAFできるほうがより便利なのは間違いない。そうした意味でも、NEXでAFできる標準レンズとしても使えそうな本機にかかる期待は大きい。
それでは外観からチェックしていこう。見た感じはSEL1855ズームとそう変わらないデザイン。全長は並べてみるとSEL1855より若干短い程度だ。NEX-5に装着しても違和感がないどころかSEL1855を装着しているのとほとんど変わらない。単焦点レンズなのでできればもっとコンパクトであってくれたらなおよかったのだが、ただこれまでのEマウントレンズ同様金属の質感は高く、比較的安価なレンズではあるが安っぽくは見えない。
画質はどうだろうか。せっかくのマクロレンズなのでいくつかそれっぽいサンプルを乗せておこう。マクロレンズとしては等倍なので被写体にくっつくくらいまで寄れるのがまず楽しいが、見てのとおり描写は良好。ボケも自然で、値段を考えればむしろ出来すぎなくらいだ。
SONY NEX-5 SEL30M35 F4.5 1/100秒 ISO400
SONY NEX-5 SEL30M35 F4.5 1/13秒 ISO400
SONY NEX-5 SEL30M35 F4.5 1/50秒 ISO400
今回は載せないが、近接撮影だけでなく中~長距離の描写も侮れない。開放F3.5なので背景ボケは控えめだが、標準ズームSEL1855に比べ色乗りも解像度も確実に一枚上手である。実売3万円を切る値段でここまでのレンズをつくってくれたSONYにはあっぱれと言わざるを得ない。欲をいえばあと1万円高くてもよいのでF2.8以下を実現して欲しかったが、値段とのトレードオフなので許そう。年内にはツァイス24mmも発売されるが、あちらは実売8~9万円と気軽に手を出せない価格ゆえ、値段が落ち着くまで本機で遊んでみるのもいいのではないだろうか。
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