実家を整理していたら親父がかつて使っていたカメラが出てきました。長い間タンスの奥にしまい込まれていて、残念ながら正常動作しませんでしたが、形見と思って持ち帰りました。
岡谷光学機械は長野県岡谷市に存在した光学器械メーカーで、当時陸軍御用達の東京光学(トプコン)が疎開工場として長野に設立。1953年頃からLoad(ロード)というブランド名でカメラの製造を開始し、本機Load35ⅣBは1955年に製造されました。1958~59年ごろに多くの中小カメラメーカーが倒産するなかで、岡谷光学もカメラ製造からの撤退を決め、時計製造へと業種転換を図ります。その後は服部時計店(現セイコー)の下請けとして時計の製造などを手掛けていたようです。言われてみるとレンズ下部には「セイコー社MX」の刻印がありますね。
レンズは40mmF2.8、シャッタースピードは1/500までいけるようです。金属製の外観は高級感があり、現代の樹脂製のカメラとは質感がまるで違います。60年以上前の製品ですがこの頃のカメラは機械式ですから、分解清掃修理をすればなんとかなるかもしれませんね。研究してみようと思います。
あまり意味はないのですが大きさの比較のために手持ちのなんちゃってクラシックカメラ、富士フィルムX-M1と並べてみます。全体的にはX-M1よりひとまわり大きいですが十分にコンパクトといえます。
調べてみると大卒初任給が5千円そこそこの時代に、だいたい1万5千円程度の価格が付いていたようなので、相当高価なものであったに違いありません。親父は当時何を思ってこれを購入したものでしょう。オーバーホールしていつか再び撮影できる日が来たら、これを持って親父が撮りたかったものを探しに出かけてみるのもいいかもしれませんね。
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