MENU
フロンティアライト
カメラと写真好きのフツーの会社員。好きすぎてこれで生きていけないか妄想中。ときどき新旧デジタルグッズのレビューなども織り交ぜてお届けします。

FUJIFILM X-T20 ◆レビュー◆

当ページのリンクには広告が含まれています。
X-T20_01.jpg
目次

Xシリーズ「一眼スタイル」最新機X-T20

最近の富士フィルムは全く侮れない。半年前気まぐれで中古で購入したX-M1は、レンズ交換式カメラとしては軽くて小さいのに独特の鮮やかな「フジの色」を楽しめることからすっかりお気に入りとなってしまい、今ではNikonもSONYも差し置いて稼働率No.1となってしまった。しかしお手軽機として使っていた頃は気にならなかったのだが、本格的に撮影しようと思うとファインダーがないことが次第に不満に思えてきた。これだけの絵が撮れるカメラならやはりファインダーでじっくり狙って撮影したい。

富士フィルムのラインナップでファインダーを搭載する機種となると、レンジファインダースタイルのX-ProまたはX-Eシリーズ、一眼スタイルのX-Tシリーズがあるが、今回は往年のフィルム一眼レフを彷彿とさせるクラッシックな外観のX-Tシリーズ最新機X-T20を選んでみた。私はカメラを購入するとき最新機種には特に拘らないので旧機種を中古で購入する場合が多く、一世代前のX-T10でもよかったのだが、今回は珍しく現行機種の購入となった。

X-T20_05.jpg
(左)X-M1、(右)X-T20

ざっと特徴を挙げると、富士フィルム独自の2430万画素APS-Cセンサー「X-TransCNOS Ⅲ」を搭載、ファインダーはEVFながら約236万ドットの有機ELで視野率100%。背面液晶は約104万ドットのチルト稼働式で、タッチスクリーンによる操作可能。ボディ上面の3つの物理ダイヤルとレンズに搭載される絞りリング(レンズにより省略されているモデルもあり)による直感的な操作感を意識したフォルムは他のシリーズも同様だが、富士フィルムの強くこだわっている点でもある。そして富士フィルムのお家芸ともいえるフィルムシミュレーションプログラムは15種類にも及び、「フジの色」とも呼ばれる往年のフィルム画質をシミュレーションできる。

X-T20_06.jpg
(下)X-M1、(上)X-T20

X-M1と並べてみると確かにX-T20は大きいが、全体的なサイズ感で言えばひと回り大きいくらいのレベルであり、レンズ交換式カメラとして考えれば十分に小さい。また、写真ではあまりわからないが、X-M1のボディは樹脂製であり質感はお世辞にも高いとは言えないが、X-T20の天面と底面はマグネシウム合金製であり、上位機種であるX-T2には及ばないが高い質感を実現している。

それではサンプルショットを投下しよう。今回のショットはすべてキットレンズである FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OISを使用した。

コンパクトでクラシックなデザインが刺さったら買い

不忍池2017秋
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF18-55mmF2.8-4 F8 1/170秒 ISO200

フィルムシミュレーションのひとつ、クラッシッククロームをベースとしてLightroomで現像・調整を行った一枚。クラッシッククロームはVelviaやASTIAに比べて少し濁った渋みのある色表現をしていて、私のお気に入りである。空の青の渋みと紅葉の赤のコントラストが見事であり、独特のフィルムっぽさも感じられる。

紅葉2017_00
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF18-55mmF2.8-4 F8 1/250秒 ISO200

こちらも空の青と紅葉の赤を対比させた一枚。APS-Cながらローパスレス仕様のセンサーの精細さがすばらしい。雲の質感もよく表現されており、ここまで写るならフルサイズにこだわる必要もないと感じさせる。

ロッキングチェア
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF18-55mmF2.8-4 F5.6 1/40秒 ISO1250

明るい室内でのショットだがISOは1250。このくらいならほとんどノイズ感なし。画面周辺減光は現像で演出のために後付けしたもので、本来はきちんと減光しないで撮れているので誤解なきように。

コスモワールド
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF18-55mmF2.8-4 F2.8 1/25秒 ISO2500

手持ち夜景ショット。ISOはこれで2500だが十分観賞レベルにある。現像時にノイズの軽減処理を行わずあえて未処理のままにしておいたが、高感度画質の優秀さがわかるだろう。ちなみにISO3200までであればその後の現像処理でかなりカバーできそうであったが、例えばSONYのα7などフルサイズセンサー搭載機と比べてしまうとやはり分が悪いようだ。

古本屋_02
FUJIFILM X-T20 FUJINON XF18-55mmF2.8-4 F3.2 1/100秒 ISO200

開放値F2.8で撮るつもりでちょっとズーミングしたところF3.2まで上がってしまった。画面奥側はもう少しボケてほしかったが、とはいえ本棚や古本の質感はよく再現されていて全体的な写りは優秀。ボケのほうはしかるべきもっと明るいレンズを用意すればいいだけのこと。

X-T20はラインナップ上はハイエンドのX-T2の廉価版的な位置付けとなるが、実はどちらも同じセンサーに同じ画像処理エンジンを使っているので基本的に画質は同等である。上位機X-T2は防塵防滴仕様であったり、ピント位置を操作できるフォーカスレバーを搭載していたりとハード面での違いはあるが、その代わりX-T20にはタッチパネルが搭載されていて、より小型軽量となっているため、上下の関係というよりも使用スタイルの違いにより区別されているといったほうが正しいかもしれない。


私は他にNikonのD800も所有しているので、ハードな環境に切り込んでいけるタフな性能が求められるシーンにはD800を持っていけばよい。そうでない多くの普通の撮影には、画質に妥協はしたくないが体力の温存のためにももっと小さく軽いカメラを持ち歩きたい。そしてできれば少しお洒落でクラッシックな外観であればなお嬉しい。本機X-T20は、そんな私の要求にピタリと填ったカメラではないだろうか。

X-T20_03.jpg
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次