FUJIFILM X-M1 FUJINON XF14mmF2.8R F2.8 1/30秒 ISO1250
Xシリーズ単焦点唯一の超広角レンズ
FUJINON XF14mm F2.8 R はフジフィルムXシリーズの単焦点レンズでは唯一の超広角レンズ。APS-C用なので35mm換算では21mm相当となるが、個人的にはスナップでも作品作りでも広角感を表現しやすく好きな画角だ。Xシリーズではもっと広角域を使えるXF10-24mmF4R OISが本命だろうが、こちらは少々大きいうえに高価ということで、まずは比較的入手しやすい本レンズから導入するに至った。
外観は全長58.4mm、重量235gとミラーレス用レンズとしてはまずまずの小型軽量。とはいってもシリーズ標準ズームレンズXC16-50mmF3.5-5.6 OIS Ⅱとほぼ同じくらいのサイズなので、F2.8の単焦点レンズということを考慮すれば正直もう一回り小さくてもよかった。全体的なつくりは他のXFレンズと同等で実用上問題ないクオリティをキープしているが、新品で8万円近くする製品なのだから、もう少し高級感があってもいい。
(左)FUJINON XF14mmF2.8R 、(右)FUJINON XC16-50mmF3.5-5.6 OIS Ⅱ
ピントリングを手前にスライドさせることで瞬時にマニュアルフォーカスに切り替わるというギミックを搭載するが、これカバンの中とかでいつのまにか位置が変わっていて、いざ使おうとしたときにオートフォーカスが効かずに故障を疑ったのは私だけだろうか。ピント合わせに微妙な調整が必要なマクロレンズならともかく、超広角レンズにこの機能は不要ではないかと思う。それと絞り輪のクリック感が少々軽く、意図せず絞り値が変わってしまっていることがままあるので、もう少し固めでもいいだろう。
肝心の写りのほうはどうだろうか。それではサンプルショットを投下しよう。
周辺まで極めてシャープ、精細な描写はさすがの1本
冒頭のショットと合わせて、ライトアップされた東京タワーを撮影。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XF14mmF2.8R F2.8 1/15秒 ISO3200
18mm(換算28mm)では全体をフレームインさせるのに苦労するこうした巨大建造物も、14mmの(換算21mm)超広角レンズなら普通に構えるだけで全体を捕えられる。夜間の手持ち撮影にてISOはだいぶ上がってしまっているが、しかしそれでも描写が非常に精細なことは確認できる。価格帯が違うが同じ被写体をXF18mmF2Rで撮影したショットとは明らかに精細感が違っており、値段の差なりの性能差があることがわかる。ちなみに、東京タワーのランドマークライトアップは、夏場になると冬場より少し白っぽい色合いとなっている。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XF14mmF2.8R F2.8 1/20秒 ISO3200
夜景が続くが丸ビルから東京駅を撮影。この場所は三脚の使用が禁止されているためこちらも手持ち撮影となったが、手振れを抑えるために絞りは開放値かつISO3200にも関わらず十分な解像感のあるショットとなった。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XF14mmF2.8R F5.6 1/20秒 ISO3200
夜間の東京国際フォーラム内部を見上げた手持ちショット。F5.6まで絞ってみた。こちらもISO3200につきノイズは乗っているが、F値開放よりもぐっと解像感が増す。開放から十分シャープだが、2~3段絞ればより安定して精細な絵となりそう。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XF14mmF2.8R F8 1/30秒 ISO800
六本木は東京ミッドタウンのテラス席を上階から見下ろした。超広角レンズの割に周辺の湾曲が目立たないのもポイント。もともと21mmという画角はライカなどレンジファインダー機では割とポピュラーな画角で、必要な方には代替のきかないものだ。フジのXシリーズで超広角レンズといえば本製品か前述した10-24mmズームの2択しかないが、特に本レンズは軽量コンパクト、湾曲も少なく写りもクセがないので、普段使う標準ズームよりもう一歩広い画角が欲しいならばまず最初に導入を検討すべきレンズだろう。たまたま今回は建造物にサンプルが偏ってしまったが、自然や風景の撮影にも威力を発揮するはずだ。
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