FUJIFILM X-M1 FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OIS F5.6 1/300秒 ISO400
シリーズ最廉価望遠ズーム初期型
FUJIFILMのXシリーズレンズラインナップ中、廉価モデルのXC型望遠ズームFUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OISを導入した。ＸシリーズといえばF値の明るい単焦点レンズが揃っておりそちらが本命と思われるが、ズームレンズXC16-50mmF3.5-5.6OISが廉価機ながら描写は上々であった（過去記事こちら参照）ため、望遠ズームもそこそこいけるのではないかと思ったわけである。
今回購入した XC50-230mmF4.5-6.7 OISは現行モデルのⅡ型ではなくすでに生産が終了している旧タイプのⅠ型であるが、このレンズはⅠ型とⅡ型の明確な違いが不明である。一説には手ぶれ補正の効きが0.5～1段違うという噂もあるが、それ以外は外観や色・大きさも含めカタログスペック上も何ら違いがない。望遠レンズなので手振れ補正は強力な方がありがたいが、中古市場でも価格差が1万円近くあるので、入手にあたっては安いほうを選んでも特に問題ないと思われる。XC16-50mm同様鏡筒やマウント部はプラスチック製で高級感とかは一切なく、特にシルバー色はよりチープ感が強いので、できればブラックのほうがいいだろう。
（左）AF-S NIKKOR 70-200 Ｆ4G ED VR （右）FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OIS
価格帯が違うので比較するのもあれだが、こと大きさだけを比べるのに手持ちのAF-S NIKKOR 70-200 Ｆ4G ED VRと並べてみると、本機がいかにコンパクトかがよくわかる。前述の通り鏡筒がプラスチック製なので望遠ズームながら重量375ｇと軽量であり、このため持ち運びが苦にならないのは大きなアドバンテージといえそうだ。XC16-50mmこの2本だけでも多くのシーンに対応できるだろう。ただ、望遠端230mm付近までズームすると全長が倍近くまで伸びて見た目にもかっこ悪いのは諦めるしかない。
では肝心の描写のほうはどうだろうか。
望遠ズームとして過不足ない素直な写り
まず冒頭のウミネコは日中の望遠端230mmのショット。背景の葉桜は少々煩い感じに撮れてしまったが、主題のウミネコはピントも正確に捕えている。羽根の質感などきちんと表現できており、望遠レンズとして期待する一定のラインはクリアしている。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OIS F8 1/90秒 ISO200
80mm付近の風景ショット。手前に枝とか草を入れて遠近感を演出してみたが、前ボケというほどボケていないもののほどよい距離感を感じさせる絵が撮れた。Ｆ値が暗いこともありボケをつくるのは得意とはいえないが、風景を切り取るには問題にならないだろう。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OIS F6 1/420秒 ISO200
135mm付近。こちらも手前の桜の枝がいいアクセントとなった。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OIS F5.6 1/400秒 ISO400
100mm付近でずらりと並んだお地蔵さまの手前の風車にピントを合わせた。意図した通り後ろにいくほどボケが大きくなるが、肝心のボケ具合はやはり少々固いようだ。
FUJIFILM X-M1 FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7 OIS F5.4 1/250秒 ISO400
望遠マクロっぽく花を狙った。手前に前ボケ、後ろも背景ボケをつくってみたが、多少固いものの工夫すればこのくらいの演出は可能。ただ最短撮影距離は1.1m～と決して短いわけではないので、そもそも望遠マクロが得意なレンズではないだろうが、それでも色の出方が素晴らしいので花撮りにも使ってみたくなる。
XC16-50ｍｍＦ3.5-5.6OISもそうだが、富士フィルムXリーズは廉価機だからといって性能に妥協をしていないのが素晴らしい。確かに外観はあからさまにコストダウンを図っており、F値の暗いレンズで他の高級機に比べると表現に限界はあるが、しかしこの価格でここまでクリアでシャープな絵を実現したことは評価に値する。望遠はあまり使わないが1本抑えておきたい場合などには最適なレンズかもしれない。
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