■Bluetoothイヤホンの時代が来た？■
数か月前、次期iPhoneはイヤホンジャックが廃止されるとの噂を聞きつけた私は、家電量販店にてブルートゥース接続のワイヤレスイヤホンを試聴しまっくっていた。オーディオの世界ではブルートゥースイヤホン＝音が悪い、というのは常識であったが、Appleが大決断を下すくらいだからひょっとして最近の製品はだいぶ改善されているのではないかと思ったのだ。だが数十本にものぼる国内外いろいろなメーカーのモデルを何度も試聴した結論としては、高音質と感じたモデルはゼロ。まあまあ妥協できるかなと感じたのもほんの2、3本、それも2万円以上の高級モデルばかりであった。
そしてついに発売されたiPhone7は噂通りイヤホンジャックが廃止されていて、ついに本格的にワイヤレスイヤホンの時代が来たかとも思えたが、Bluetoothイヤホンの音質がまだまだあの程度なのにどう考えても時期尚早なのではないかと感じたのは私だけではなかったはずだ。
ただ最近の私は柄にもなく休日に近所をランニングしていて、このときやはりiPhoneで音楽を聴きながら走るのだが、有線のイヤホンはどうしてもケーブルが邪魔になるのでランニング用にワイヤレスイヤホンが欲しいと思うようになっていた。
■Amazonで人気のBluetoothイヤホン ”JPRiDE JPA1″■
そこでAmazonでワイヤレスイヤホンを検索していると、家電量販店では見かけなかったモデルが人気機種となっている。iOS用高音質コーデックAACに対応する機種で探すと、JPRiDEという聞きなれないメーカーのモデルJPA1 MK-Ⅱが数千円というまあまあリーズナブルな値段だ。どうせ音質には期待していなかったから、これくらいの値段なら失敗してもまあいいやと思い購入に至ったのだが、届いてみるとクラフト風のパッケージがなんだか少し「いい感じ」である。
中を開けて驚いたのは交換用のイヤーピース、イヤーフックの数の多さ。耳栓部分のイヤーピースは大小11種類、耳に固定用のイヤーフックは3種類、これだけあればおよそどんな大きさの耳にもフィットする組み合わせが見つかるだろう。その他充電用のUSBケーブルと簡易ポーチが付属しており、取扱説明書はちゃんと日本語である。製品はこれといって高級感のあるものではないが、表示によればIP64等級防塵防滴仕様でありランニング用としても問題なさそうだ。
■価格を考えれば十分な高音質■
さて肝心の音質はというと、<結論から言えばこの価格帯から考えれば十分に高音質と感じた。有線無線問わずこの価格帯のイヤホンにありがちな「こもり感」がなく、低中高域ともにバランスよく出力できていて、クセらしいクセもないので万人に受け入れられやすい音である。特にブルートゥースイヤホンとして考えれば驚きの高音質と言えるかもしれない。
但し、高音質といってもいろいろあると思うが、まだ使い始めて間もないためエージング前という前提で、例えば愛用のクリプシュの有線イヤホンはかなりボリュームを上げても聴いていられるが、こちらは音の輪郭にカドが立ち過ぎてすぐにうるさく感じてしまう。いいイヤホンは思わずその音に聞き惚れてしまうものだが、本製品は音を素直に再生はするが聞き惚れる音ではない。とはいえ、ケーブルから解放されるのは想像以上に快適で、多少音質を犠牲にしてもワイヤレスの利便性を選ぶ人は少なくないだろう。
結局このメーカーの正体は未だ不明ながら、数年後イヤホンはワイヤレスが当たり前の時代が到来したとして、そのときこの業界に台頭しているのはBOSEでもSONYでもオーテクでもなく、こうした第三勢力かもしれない。とりあえず確かなのは、今iPhoneをランニング用途に使うなら本製品は相対的にお勧めということである。
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