Nikon D800 voigtlander ULTRON 40mmF2 SLⅡN F2 1/2500秒 ISO100
Nikon F3に似合うマニュアルフォーカスレンズとして、最初は純正のAiレンズを検討していたのだが、いろいろ考えてコシナ製フォクトレンダーのFマウントレンズ、ULTRON 40mm F2 SLⅡNを購入した。
パッケージには本体とフジツボ型専用フード、それに専用クローズアップレンズが付属している。レンズ本体の最短撮影距離は38cmだが、このクローズアップレンズを装着すれば25cmまで寄ることができるので、簡易マクロ的にテーブルフォトや小物類の撮影もこれ1本でカバーすることができる。
(左)ULTRON 40mm F2 SLⅡN、(右)Ai Af Nikkor 50mmF1.8D
しかしこのレンズの最大のアドバンテージはその薄さにある。Nikonには以前、Pシリーズという全長の短いいわゆるパンケーキレンズが存在したが、現在はディスコンとなっていて、中古市場でもそこそこ高価である。特別目的を持たずにカメラを持ち出す際、薄いパンケーキレンズをボディキャップ代わりに装着するというのもオツというものだが、ULTRON 40mm F2 SLⅡNはこうした純正にはないパンケーキレンズのラインナップを補完する存在として貴重ともいえる。どれくらい薄いかというと所有する50mmF1.8Dと比較してもおよそ半分の薄さに収まっているのがわかるだろう。
D800に装着するとこの通り、ごついボディに薄いレンズが明らかに不釣り合いだが、不思議とぶさ可愛い。マニュアルフォーカスなのでとっさの撮影には全く向いていないが、1枚を撮るのにフォーカスを回してじっくり狙うというのも風情があってたまにはいいものだ。
もちろんF3に装着するとご覧の通り見た目にもベストマッチなのだが、今回はD800での作例を投下しよう。
Nikon D800 voigtlander ULTRON 40mmF2 SLⅡN F2 1/2500秒 ISO100
晴天下だったが背景をぼかしたくてF値開放で撮影。ほどよくボケて立体感のある絵となった。ちなみに記事の最初の竹林のショットもF値開放で撮ったが、手前のピントの合った場所とバックのデフォーカス部分の対比が見事。この薄さにして40mmという焦点距離を考えればかなりボケをつくりやすいレンズといえそう。
Nikon D800 voigtlander ULTRON 40mmF2 SLⅡN F2 1/1000秒 ISO100
開放からピントの合っている場所は十分にシャープなので積極的に開放で狙いたくなる。またマニュアルフォーカスレンズ特有のトルク館のあるフォーカスリングの感触も良好。
Nikon D800 voigtlander ULTRON 40mmF2 SLⅡN F3.5 1/40秒 ISO1400
Nikon D800 voigtlander ULTRON 40mmF2 SLⅡN F4 1/40秒 ISO1250
付属のクローズアップレンズを装着して撮影。結構寄れるのでこれがあれば遠景からテーブルフォトまでこのレンズだけで多くのシーンをカバーできる。おまけと考えてもお得感あり。
ULTRON 40mm F2 SLⅡNはとにかく小さく薄いのに写りがよく、40mmという焦点距離も気持ち広めという絶妙な距離感が魅力的なレンズだ。価格的にもまずまずリーズナブルなので、1本カバンに忍ばせておくと表現の幅が広がるだろう。
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