多灯撮影をするには複数個のフラッシュが必要となるが、アマチュアの身でフラッシュをなかなか何個も買えるものではない。しかしさすがはNikon、そんな方のために手っ取り早くセットとなった製品がちゃんと存在していた。今回はクローズアップスピードライトリモートキットR1を試してみよう。このキットにはワイヤレスリモートスピードライトSB-R200が2台同梱されていて、これを核に周辺アクセサリーをセットにしたパッケージとなっており、これだけで本格的な多灯撮影ができるようになっている。
同梱されているアクセサリーはアタッチメントリングSX-1、アダプターリングが5種類、カラーフィルターホルダーSZ-1、スピードライトスタンドAS-20など多岐に渡り、これだけでも相当色々な撮影ができそうだが、スピードライトSB-R200はそこまでする必要があるかどうかは別として増設すればアタッチメントリングSX-1に8個まで装着することも出来る。名称にあるとおり前提としては花や小物類のクローズアップ撮影用だが、ワイヤレス発光なのでSB-R200をカメラから離して設置させることで、様々なシーンに広く対応できるだろう。キットをカメラに装着させると写真の通り、無骨でなかなか堂々とした面構えだ。
尚D800で使う場合は、カメラ側をコマンダーモードにすることで発光を制御できるが、カメラによってはコマンダーモードを内蔵しないモデルもあるため、このコマンダー部を独立させた専用コマンダーSU-800を同梱したクローズアップスピードライトコマンダーキットR1C1もラインアップされている。使用する機材に応じて選択すればいいだろう。
それでは早速身近な題材でクローズアップ撮影を試してみよう。
Nikon D800 Tamron SP AF90 F2.8 Di MACRO 1/2秒 F5.6 ISO100
撮影用にイチゴを買ってきた。少し瘦せているがスピードライトSB-R200を2灯でイチゴを左右から照らし、加えて撮影ブース内にSB-600をバウンスで設置し上部から反射光を当ててみた。ライティングなしではどう撮影してもどこかに影ができるが、合計3灯発光させることで影を消し、背景を白にしてイチゴそのものだけを見たまま撮影することができた。
Nikon D800 Tamron SP AF90 F2.8 Di MACRO 1/100秒 F4.8 ISO100
同じくオレンジを撮影。イチゴと同じようなライティングを施したが、適度に光がまわっているのでオレンジの皮のつやつやした質感や、カット部分の瑞々しい感じが程よく再現されている。このまま商品パンフレットにさえ使えそうだ。多灯撮影は難しいものという先入観があるが、使っただけの効果はあるしいろいろ試してみるとなかなか奥が深い。花とかを撮影するのも楽しそうなので、おいおいトライしてみようと思う。
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