Nikon AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED ◆ レビュー ◆

Nikon D800　AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED 1/50秒　Ｆ8　ISO100

ニコン純正ＦＸ用広角ズームの中では廉価だがすこぶる評判の良いAF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G EDを導入した。このレンズは一見すると、超広角としては広角端が18ｍｍスタートだったり、手ぶれ補正VRがなかったりとイマドキのズームレンズとしてはあまりハイスペックでないようにも思えるものの、よく調べてみると重量385ｇの軽量設計で、ズーミングによって全長が伸縮しないインナーズーム機構だったり、最短撮影距離が0.28ｍとかなり寄れる設計だったりして単なる廉価モデルとも言い切れない気もする。

まず実際に手にしてみると、ごつ目の外観に反して拍子抜けするほど軽い。18ｍｍという焦点距離は超広角としては確かに控えめだが、それでも標準ズームの広角端として一般的な28ｍｍや24ｍｍから比べればずっと広く撮れるし、逆にあまり湾曲を感じなくて済むので自然な広角感を狙うなら充分ともいえる。手ぶれ補正はないよりあったほうがいいだろうが、広角域では多くのシーンでなくても問題ない場合が多いだろうし、どうせ絞り込むことが多いであろうから開放F値には拘らない。となれば、倍の値段で16-35ｍｍVRを買わなくてもこちらで充分とも思われる。但しこれらはもちろん描写がよければの話だ。

それでは早速作例を見てみよう。

Nikon D800　AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED 1/20秒　Ｆ8　ISO250

広角端18ｍｍのショットでＦ8まで絞ってある。24ｍｍくらいの普通の広角とはひと味違ったワイド感であるが、画面両端はそれなりに湾曲はある。精細感もあり超広角で陥りがちなドライさが少なく、万人に受け入れられる絵ではないだろうか。

Nikon D800　AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED 1/200秒　Ｆ5.6　ISO100

望遠端35ｍｍのショット。望遠端といっても広角域なので広さは感じる。F5.6なので絞り込んだショットではないが、18ｍｍ付近から比べるとやや精細さは控えめか。

Nikon D800　AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED 1/160秒　Ｆ11　ISO100

晴天下でF11まで絞り込み、狙い通り隅々まで精細な遠景ショットとなった。こういう絵は本レンズの最も得意とするところ。

Nikon D800　AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED 1/40秒　Ｆ5.6　ISO1000

35ｍｍ望遠端で被写体に近づいて背景ボケを試したが、広角レンズだけあってほとんどボケなかった。ただ、あえて控えめなボケを狙うならこれもアリと思う。

Nikon D800　AF-S NIKKOR 18-35ｍｍ f/3.5-4.5G ED 1/15秒　Ｆ5.6　ISO3200

薄暗かったのでISOが3200まで上がってしまったが、30ｍｍ付近のショット。普通に人が見上げたままの画角でスナップ用途にも不足はない。

最近は個人的に広角の絵が気に入っているので、撮影の際は必ず広角レンズも持参するのだが、このレンズは1本で35ｍｍまでカバーするだけでなく、裏技だがD800をAPS-Cモードにしてしまえば画素数は落ちるがほぼ50ｍｍまでカバーできるので、これと望遠レンズの2本だけで超広角から望遠までほぼカバーできるという機動力重視のマイセットが実現する。しかも軽量なので体力にあまり自信のない私にはたいへんありがたい。本製品は描写についても及第点で軽量設計、（比較的）リーズナブルということで気軽に超広角を試すにはちょうどいいレンズであるといえる。