NEXの登場後、サードパーティより多くのEマウント用マウントアダプタが発売されたことで、現在NEXでは実に多彩なオールドレンズを使用することができるようになっている。私もオリンパスOMレンズをNEXに装着したりして遊んでいたが(過去記事参照)、実は密かに狙っていたレンズが他にもあった。そのひとつがCONTAXのGマウントレンズである。なにしろこのシリーズ、自身にピントリングを持たないという構造上、本来のCONTAXボディ以外ではほとんど使いようがなかったためか、ツァイスブランドとしては中古相場が比較的安価なのだ。
一方で昨年より中国KIPON社製のEマウント用CONTAX Gマウントアダプターが流通し始め、これがなかなか使えるということでオールドレンズマニアの間で評判となった。レンズ自身にピントリングを持たないGレンズのフォーカスをマウントアダプター側で行うという発想が素晴らしい。そのため一般的なマウントアダプターと違い構造が複雑で、登場時はそれなりに高価であったものの、ここへ来てだいぶ価格も落ち着いてきた。先日遅らばせながら私もこのマウントアダプターを入手し、程度のいい中古が出回るのを待ち望んでいた。
このアダプターで使用できるCONTAX Gレンズは、ビオゴン21mm、ビオゴン28mm、プラナー35mm、プラナー45mm、ゾナー90mmのたった5種類しかないが、レンズ自体の評価はどれもすこぶる高い。本来なら35mm換算31.5mmとなるビオゴン21mmが使いやすそうであったが、調べたところビオゴン21mmはNEXで使うと画面周辺部でマゼンタかぶりを起こすらしいので、候補から外した。ゾナー90mmも換算135mmとなり望遠としてしか使いようがないので、最初の1本としては不適当だろう。今回は普段使いに便利そうな若干広角寄りのビオゴン28mmを購入してみた。
CONTAX Gレンズはフランジバックが短いおかげでマウントアダプターを付けてもNEXと納まりが良く、しかも外観の薄いシャンパンゴールド色がまたよく似合う。レンズ外周に刻まれたCarlZeissの白文字が実に誇らしげで、見ているだけでも惚れ惚れする。マウントアダプター経由の使用なのでピントはマニュアルフォーカスとなり万人に勧められるものではないが、NEXでツァイスが使えるとなればそれくらいは我慢である。
とりあえずはビオゴン28mmの試し撮りをしてみたのでいくつか載せておこう。なおF値はexifに残らないためうろ覚えだが、4~8の間だったと思う。
SONY NEX-5 CONTAX(G) Biogon2.8/28mm 1/125秒 ISO200
SONY NEX-5 CONTAX(G) Biogon2.8/28mm 1/125秒 ISO200
SONY NEX-5 CONTAX(G) Biogon2.8/28mm 1/30秒 ISO200
印象としてはさすがはツァイス、描写が実に細かく色乗りもよい。但し、ここには載せていないが空の写真などいくつかのショットでは画面両端にうっすらマゼンタかぶりをしているものがあった。もっと絞れば防げたのかもしれないが、あくまでマウントアダプター経由での使用なのでそういうこともあり得るということは知っておいたほうがよいだろう。
とはいえ比較的安価にツアィスブランドレンズが使えるのは単純に嬉しい。もし機会があったら他のレンズも是非試してみたい。
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