FC16でお手軽ワイヤレスライティングを構築
フラッシュをカメラ本体に装着して撮影することをオンカメラ・ライティング、カメラから離れた場所で発光させることをオフカメラ・ライティングと言います。オンカメラの場合はカメラにフラッシュを装着するホットシューがあれば特段問題ありませんが、オフカメラをしようとすると少し話が複雑になります。フラッシュの発光をコントロールするトリガー機能を持たないカメラがあるからです。
例えば私が愛用しているNikonのZ6は内蔵フラッシュを持たず、トリガー機能がありません。こうした場合、最も安価にワイヤレスでオフカメラ・ライティングを実現できそうなのが今回ご紹介する、GodoxのワイヤレスリモートフラッシュトリガーFC16です。
Godoxは中国は深センにて1993年設立された撮影照明機材メーカー。一昔前までは中華製といえば安かろう悪かろうというイメージが先行していましたが、低価格で高品質かつ拡張性の高さなどが評価され、最近ではプロの現場でも使用されるようになりました。2021年現在撮影用フラッシュでは世界1位のシェア率を獲得しています。
そのGodoxが手掛けるFC-16は、送信機(トリガー)と受信機(レシーバー)と各種ケーブル類がセットになっていて、これだけで手軽にワイヤレスライティングが実現できるキットです。現在Amazonでは3千円台という手軽さも魅力的です。
送信機と受信機のそれぞれに電源として単4電池が2本ずつ必要です。
各ユニット同士が同じチャンネルになるようにセットしましょう。写真の4本のポッチの上下組み合わせで16チャンネル分の設定が可能です。
使い方①ワイヤレストリガーとしてフラッシュを発光
それでは具体的な使い方を説明しましょう。まずは「手持ちのフラッシュをカメラから分離させてワイヤレス発光させる」方法です。送信機、受信機両方のモードをFlash側にセットします。
フラッシュモードでは送信機、受信機の両LEDが写真では少しわかりにくいのですが、緑色に点滅します。
送信機をカメラのホットシューにセットします。
受信機には手持ちのフラッシュをセットしましょう。このとき使用するフラッシュは特にgodox製でなくてもよく、どのメーカーのどんなフラッシュでも端子さえ合えば大丈夫と思われます。
基本的にセッティングはこれだけで、カメラのシャッターを押すとフラッシュがワイヤレスで発光します。フラッシュはマニュアル調光になりますので、フラッシュの発光モードをマニュアルにし、あとは実際に何度か試し撮りを行って適切な光量に調整しましょう。
使い方②リモートレリーズとしてワイヤレスシャッターを切る
次に、受信機をカメラ側にセットすることで、カメラのシャッターボタンを離れた場所からリモートで押すことが出来るリモートレリーズ機能を使ってみましょう。送信機、受信機共にモードをCameraに合わせます。
カメラモードでは、送信機、受信機の両LEDが赤色に点滅します。
受信機をカメラのホットシューにセットし、付属のケーブルでカメラと接続します。このときカメラによって端子の形状が異なるので、付属する3種類のケーブルから適合するものを使いましょう。ちなみにZ6では四角い形状の端子が適合しました。FC-16はNikon用とCanon用があるのですが、おそらく違うのはこの付属ケーブルの形状だけと思われます。
送信機のボタンを半押しするとカメラのオートフォーカスが作動し、更に押し込むとシャッターが切れます。三脚を使った撮影等で便利に使えそうですね。
Nikon以外のカメラでは使える?
FC-16はNikon用とCanon用があるのですが、そうなるとそれ以外のメーカーのカメラでは使用できないのかが気になります。そこで試しに愛用するリコーのコンデジGRⅢに装着してみました。
結論から言えば、フラッシュモードが正常に作動しました。リモートレリーズ機能はカメラと接続できるケーブルがなく使えませんでしたが、カメラにシャッターレリーズ端子があり、ケーブルと規格が合えば動くのではないかと思われます。ちなみに、ライカM10でもフラッシュモードによる発光はしました。
但し、フラッシュ側はあくまでマニュアル調光となるので、カメラ毎にセッティングは変える必要がありそうですし、実用としては使えそうですが厳密にジャストのタイミングで発光しているかどうかは保証できませんので、試してみる場合は自己責任でお願いしますが、1セット持っていればどんなカメラでもオフカメラ・ライティングができるとすれば汎用性も高く結構お得なキットではないでしょうか。
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